プレミアリーグ2013/14 レビュー 「世界のコケ方ショー」 vol.3

こっから上位なのでしばらくすると主にコケ方のハイライトになります。



■ストーク(10位)

<IN>
GK バトランド
CB ムニエサ
SB ピーテルス
CM エド
AM アイルランド
AM O.アサイディ
FW アルナウトヴィッツ
FW グイデッティ☆

<OUT>
GK ナッシュ
DF ショットン
MF ホワイトヘッド
MF カイトリー
FW ジェローム
FW オーウェン


脱放り込みを目指してピューリスを解任し、マーク・ヒューズを招聘。アサイディ、アイルランド、アルナウトヴィッチと技巧派も獲得し、サッカーの転換だ!と意気込んでいたが、そんなに上手くはいかなかった。ていうか放り込み脱却でなんでヒューズに任せたのか。そもそもチームの主軸はソリッドだが繋げないショウクロスと放り込み界のスーパーアイドルクラウチ&ウォルターズなのだからして、そんな急には上手くいかんでしょ。結局地上戦を志向しつつ、苦しくなるとすぐ放り込んで何とかしていた。それでも何とかなったのはリヴァプール、スパーズとほぼ同失点に抑えた守備のハードワークのおかげか。まあ10位は立派。


<Pick up>
チャーリー・アダム
リヴァプールを1年でクビになってしまったクォーターバック型パサーが、塹壕戦で活躍。ウィーランとともにファールスレスレっていうか普通にファールなタックルを連発しつつ、セットプレーとミドルでちょいちょい場を沸かせた。


◆アスミール・ベゴヴィッチ
元々カナダのユース代表だったが、今はボスニアの正GK。ビッグクラブへの移籍が破談になったのにもめげず、今年も安定したパフォーマンスでチームを支える。ちなみに昔アディダスのCMで「戦火の中家のベッドでセービングの練習をしていました」って言ってたのだが、今Wiki見たら4歳でドイツに移籍してたのでえ!?あれ嘘!?3歳の時の話!?ってなってる。でも大変だよねえ。ジェコもだけど。W杯出られて良かった。





ニューカッスル(9位)


<IN>
SB ダメット
FW レミ
FW アミオビ弟
FW L.デ・ヨンク

<OUT>
GK ハーパー
DF シンプソン
DF パーチ
DF タヴァニア
MF アマルフィターノ別人
MF キャバイエ☆
MF ホナス・グティエレス
FW A.キャンベル



コケ芸その1:無抵抗主義。なんか見た試合ではとりあえず力負けしてたことだけは覚えてる。とりあえずフランス人が10人て、お前らお手頃価格だからって1カ所から集めすぎだろ感。序盤に勝ち点を集めまくったが、年明けから3連敗、3連敗、5連敗とずるずる歯止めが利かなかった。キャバイエ抜かれると試合にならず、終盤の雰囲気はもう葬式。絶対フランス人みんな「キャバイエ良いなあ」っつって試合どころじゃなかったはず。



<Pick up>
◆マイク・ウィリアムソン
空中戦にはとりあえず強い、昔堅気の英国CB。スピードは無いし総合的にはプレミアぎりぎりのレベルだが、1vs1の勝率はシュクルテル(59%)、コンパニ(56%)を上回る62%。すげーな。テイラー不在でレギュラー陣唯一の英語話者だが、肩身が狭い中よく頑張った。





サウサンプトン(8位)


<IN>
CB ロヴレン
DM ワニヤマ
FW オスバルド
FW 李忠成


<OUT>
DF フォレン
DF F.リチャードソン
DF フォックス☆
MF S.デ・リッデル
MF パンチョン
FW マユカ
FW バーナード☆
FW 李忠成
FW オスバルド☆



限られた予算で補強を当て、ユース上がりの国産若手を重用しながら、ビッグクラブ相手にも互角の勝負を演じるというイギリスの良心。まず、ほんとそれなりの人材しかいなかったCBにリヨンで腐っていたロヴレンを引き抜き、1段階レベルアップ。失点45は昨シーズンから▲14の大進歩である。さらにMFシュナイダリンの相方にボール狩りの名手ワニヤマを据えたことで、前線からのハイプレスがさらに強力になった。いやまじ、ほんとえぐかった。シティ戦でも2試合ともあわや勝てそうなとこまで追いつめており、ヘッ、な、中々やるじゃねえか(鼻血を手で拭いながら)、という。
来年は自慢の若手が引き抜かれることが予想されるが、鍵はフィニッシャーを確保できるか。結局プレスも点が獲れなきゃ徒労なので、そろそろ年齢的にガタが来そうなランバート、引き抜かれそうなJロッドの代役を安値で探してこれるかどうかで来期の成績が決まりそう。もちろんこの2人が残留なら心配はないんだけど。


<Pick up>
◆モルガン・シュナイダリン
中盤の底を担当するフランス人。元々パスやキープは上手いが足は遅いし身体も弱くて守れないという使いどころが難しいレジスタだったが、肉体的にも守備技術的にも急激に強くなり、今や足が遅い以外は穴の無いCMFに。なんかこの感じ、あの感じ、ヴェンゲルが買いそうな感じ。


デヤン・ロヴレン&ジョゼ・フォンテ
躍進を支えたCBコンビ。ロヴレンはリヨン時代バルセロナがやった「どの選手を獲得してほしい?」というアンケートでリヨンファンからネタで投票されまくるなど要らない子扱いだったが、イングランドのサッカーが合ってたのか、廉価版コンパニともいうべき活躍。早い段階で相手を捕まえてしまい、スピードとパワーで圧殺するプレーはチームのスタイルにも合っていた。フォンテは去年まで吉田と大差ないレベルの電柱だったが、ロヴレン効果かプレー内容が劇的に改善。1vs1の強さではロヴレンに劣るが、ミスが少なく安定していた。





マンチェスター・ユナイテッド(7位)


<IN>
SB バレーラ
SB ファビオ
CM フェライニ
AM ヤヌザイ
AM マタ☆
FW ザハ
FW マケーダ


<OUT>
DF ウートン
DF ファビオ☆
MF パウエル
MF スコールズ
MF アンデルソン



コケ芸その2:崩壊。30年近く続いたファーガソン政権が終わり、後継者には10年前から噂があったモイーズが就任。新しい歴史の始まりだったはずなのだが、色々逆の方向で歴史を作ってしまった。とは言えだね、ちょっと長くなるけど、そしてシティファンがするのも変かもしれないけど、モイーズ1人を非難するのは間違ってると思うわけだ。(「いつものローマの人」さんのTweetが参考になるのでちょくちょく引用)
まずもってモイーズが適任だったかと言われれば、一番納得度が高いチョイスであったことは間違いない。ファーガソンと同じスコットランド人で年齢も若く、10年前から噂があったように後継者候補の筆頭として常に名前が上がっていた存在。しかもエヴァートンでの12年間は低予算ながら好成績残し続けていた
また、昨年優勝したとは言え、主力の高齢化が進み、代役候補の若手はヤング、香川、スモーリング、ジョーンズと、良い選手だがいずれもスーパースターではなかった。さらにCEOのデイヴィッド・ギルが抜け、後任のウッドウォードはビルバオのアンデル獲得でいきなり失敗したように、移籍担当者の落差が激しすぎた。ていうかそもそもファーガソンの後任て、明日からサザンのボーカルねって言われるようなもん。もちろん監督は結果が全てなので、モイーズマンU政権は大失敗だったと言わざるを得ないが、なんつーか、香川が使われない鬱憤もあると思うんだけど、希代の迷将モイモイとか言ってバカにすんのは賛同できないなあ、という感じ。しかし、弱いマンUというのがこんなに寂しいとはな。



<Pick up>
ねーよ






トッテナム(6位)

<IN>
GK ゴメス
CB キリケシュ
SB ローズ
DM カプー
CM パウリーニョ
SM タウンゼント
AM エリクセン
AM シャドリ
AM ラメラ
FW ソルダード
FW ケイン
FW オビカ


<OUT>
DF コーカー
DF アス=エコト
DF ギャラス
MF パーカー
MF ハドルストン
MF ベイル
MF リヴァモア
MF キャロル
MF デンプシー
MF フレデリクス☆
MF ホルトビー
FW デフォー☆
FW ドーキンズ☆
FW オビカ☆



コケ芸その3:新規事業で大失敗。ベイルを売った金でAVB好みのラテンな選手を大量補強!これで俺たちもクールでスタイリッシュなサッカーにヒーウィゴー!!


できませんでした。腹抱えて笑ったわ。序盤は好調に勝ち点を積んでいたが、ビッグクラブとの対戦でバカ正直に立ち向かいすぎ。鈍足で繋ぎも覚束ないドーソンがDFの柱で、頼みのヴェルトンゲンは薄くなった左バックのカバーに回って、キックミス癖があるロリスがGKで、かつライン上げまくったらそりゃ炎上するよ。結局シティ、リバプールチェルシーアーセナルとの8試合で2得点27失点。歴史に名を残す大爆発を繰り返した。
後半戦から懐かしのシャーウッドに監督が交代し、レドナップ時代の劣化版のような直線的なサッカーに回帰したが、当然面子はあの時より適性が無くなっているのであり、アデバヨールとケインの2トップの頑張りと、エリクセンのセットプレーで勝ち点を拾っていた印象しかない。
この夏でベイルの移籍金をほぼ溶かしきったというのが面白すぎるのだが、とりあえず誰に任すか、どういうサッカーするかを決めないとせっかくの金も無意味。ダニー・ローズがSBとして様になり、ケインも基準点型のFWとして成長を示しているなど希望が無いでもないので、来年はもうすこしまともに頑張ってください。


<Pick up>
クリスティアン・エリクセン
絶対チーム選び間違えたと思っているに違いない名パサー。とにかく合わせるFKがうますぎ。速さ、正確さ、曲がり方全部あれだけで金が取れるレベル。


ウーゴ・ロリス
脆弱なDF陣の尻拭いをさせられ、シュートの雨あられに晒されながら不満も言わずに頑張った。ビルドアップのやり直しという名のバックパス連発で本人もちょぼちょぼ致命的なキックミスを犯し、ビッグクラブとの対戦での主な仕事はボールをネットから取り出すこと。DF陣を全員ビンタしてもいいと思う。フランス人のくせにやけに文句を言わない寡黙なタイプだが、『レ・ブルー黒書』を読んだら南アW杯の反乱の時も幹部選手の言いなりになっていたらしいので、多分そういう人。