2014/15 プレミアリーグ前半戦レビュー「それでいいのか二人旅」vol.2

■14位 WBA 4勝5分7敗 勝点17 得点15  失点20
点は取られないが取れもしない、という予想通りの寸詰まりサッカーを展開中。失点20はアーセナルとほぼ変わらないレベルだが、得点15もワースト4位タイである。
中盤を削り屋ジャコブとサッカーをするゴリラ・ムルンブの獄卒コンビではなく、ドランズ、ブラント、モリソン、ガードナーの“何やってもそこそこカルテット”に変えても失点が少ないのは立派だが、一番攻撃が強そうな面子でこんだけ点が取れてないのはきつい。
FWも案の定イディエ・ブラウンが悪いナイジェリア人であることが発覚し、サマラスは相変わらずパルテノンの沈没船。21歳のベラヒーノに得点の大半を依存する崖っぷち構造で、今季就任したアーヴァインには早くも解任の噂も出始めた。とは言えこれまでチームを支えてきたマコーリー、オルソンから若いドーソン、ウィズダムにスイッチしつつ、失点を抑えているのは立派。ここまで良い成績とは言えないが、予想をはるかに下回るというわけでもない。どうせまともなFWいないんだから、今シーズンは残留で御の字なのではなかろうか。




<Pick Up>ジョリオン・レスコット
別にプレーはどうでもいいんだけど、試合を見ていたWBAファンの人が「レスコットルーレット!!」とつぶやいていたのが脳裏から消えない。
その試合は不幸にして観戦してないが、いったい何が起こってしまったというのか。いや、別に見たくはない。






■13位 アストン・ヴィラ 5勝4分7敗 勝点19 得点10 失点20
ロートル中心の補強でプレシーズンは不安を煽ったが、出だしは順調。ロイ・キーン仕込みのハイプレスが機能し、一時は2位まで浮上した。
が、アーセナル戦で「一定以上の相手には通用しない」「一旦つながれるとライン裏のリスク、とくにセンデロスの場所がまずい」「攻撃の仕組みと一体化されたレベルでの戦術では無く、攻め手がほぼ皆無」という数々の弱点が露呈。
破竹の6連敗に3引き分けで一気にボトム10まで落ち込んでしまった。更に、ロイ・キーンが選手と対立して辞任。
2カ月価値なし得点なしでは雰囲気が悪くなるのも致し方なかろうとは思うが、それにしても「テメエ舐めんのもいい加減にしとけよコラ」とロイ・キーンに言い放ったファビアン・デルフは男である。ほんとどこ行っても成功しないよな、あの髭。





■12位 ストーク 5勝4分7敗 勝点19 得点18 失点21
どっからどう見てもラーメン屋のおやじである。バンダナ巻いてるし、腕まくってるし、後ろからでも豚骨の匂いしてるし。
でもおやじは頑なに「パスタ」って言ってる。「俺はパスタ作るから」って。確かに香草とか買ってきてるけど、大事なのはそこじゃないっていうか。

というかつての豚骨ロングボールからオサレ地上戦パスタへの転換を図っているはずだったのだが、ビッグクラブ相手には普通に豚骨出してきた。聞いてねえよ。
そんな感じでシティ、トッテナムアーセナルに勝利しつつ、レスターやサンダーランドに負けたりと今一つ安定しないシーズンを送っている。
ボージャンを筆頭に攻撃の駒は充実したが、その分守備も脆弱化。ファンの方曰くカウンターでやられるパターンが増えているそうな。
確かになあ。ボールロスト多い割にネガトラ苦手そうなメンバー多いもんな。エンゾンジが中盤の中心になってるけど、あれ脇でフラフラさせて何ぼだもんな。
とはいえ貧乏人のジェラードことシドウェル、メリケン砕氷船キャメロン等守れるメンバーもいるわけで、中堅どころの中では選手層は決して薄くない。
トップ10でのフィニッシュも可能だろう。



<Pick Up>マメ・ビラム・ディウフ
そりゃマンUでは通用しないわなという雑なプレーと、シティを1人で沈めたスーパーゴールの両面を併せ持つ評価に困るストライカー。
勝ち試合でボールキープを試みたところ、後ろからあっさりボールをかっさらわれて何かに激怒という愛らしさはプレミア屈指。





■11位 リヴァプール 6勝3分7敗 勝点21 得点19 失点22
今年もやってしまったキング・オブ・コケ芸。
ゴールマシン・スアレスの抜けたFWにバロテッリランバートを補強し、その他はララーナ、ジャン、マルコヴィッチ、ロヴレン、マンキージョといった期待の若手を補強するという戦略がものの見事に外れ、得点パターンがさっぱり見えないチームに変わってしまった。昨シーズンあれだけ猛威をふるったカウンターも、スターリングのスピードで何か起きればラッキーという雑な状態に。GKミニョレは不調続きでド下手クソな第2GKブラッド・ジョーンズとすげ替えられ、DFラインもロヴレンが「2,000万ポンドって日本円で200万くらいだったっけ?」と思わせる1人デノミネーションを敢行。全ポジションで問題が相次ぎ、11月は怒涛の4連敗を飾ってしまった。突破口はさっぱり見えないが、強いて言えば1月中旬に予定されているスタリッジの復帰。とりあえず3バックは止めて、スタリッジスターリング、コウチーニョ並べとくのが一番傷口浅くすむんじゃないかと思います。






■10位 エヴァートン 5勝6分5敗 勝点21 27得点 24失点
守備が大絶賛崩壊中。失点27はワースト3位タイである。
とはいえモイーズ時代もいつもシーズン前半は低空飛行し、後半にアホみたいに巻き返すのが定番だったので、さほど違和感がある順位では無い。
守備面ではベテランに勤続疲労が出てきたが、GKハワード、CBディスタン、ジャギエルカの代役はなかなか見つからない。とりあえず今シーズンは粘り強くストーンズを試す期間になりそう。
攻撃面ではルカクをSBに流れさせるパターンがいよいよ読まれ出しており、前半戦ほぼ不在だったバークリーがいないと中央から崩せなくなってきている。
先日のシティ戦でも中央にスペースはそこそこあったのだが、エトオネイスミスでは宝も持ち腐れっていうか、本職じゃなさ過ぎてどうにも感。
巻き返しのためにはけが人の復帰は不可欠。あとELは早めに撤退しておきたい。別に勝ったって大した金でねえぞ。あと来年バークリー売ってくれ。





続く。