2002-2014 マンチェスター・シティ私的ベストイレブン

応援を初めて約10年ちょい。
『みどりのろうごく』さんの企画を見て、ふとやりたくなったので。

基準としては以下の通り。
1.絶対的なプレーの質の高さではなく、あくまでのその時期ごとの、チームへの貢献度と、僕への印象度。
(うちみたいに急に強くなったチームだと、質で考えるとまんま今のチームになるので)
2.シティ在籍時のプレーで評価
3. 4-4-2、ないしは4-2-3-1を緩やかに想定してのメンバー構成とする。キーガン時代に3-5-2をやったくらいで、あとはずっと4バックで来てることだし。
4. 各ポジションで名前を書くのが速い順から、1stチョイスとする。


■GK(3人)
ジョー・ハート
デイヴィッド・ジェイムズ
ニッキー・ウィーヴァー


ハートは見た目の立派さとか、シュルーズベリー出身とは言え10代で引き抜いてきたゆえの”準生え抜き”感とか、その辺りが「ついに手に入れた守護神」という誇らしさを与えてくれたが故に選出。昨季途中におかしくなるまでは、プレーも素晴らしかったし。


ジェイムズは疫病神だのウスノロだのと散々に言われてきたことで有名だった人である。不安定なGKというのも色々あるが、この人の場合は自分がイメージする身体能力と、本当の自分の能力が著しくズレているというところに原因があった。届くと思って飛び出してみたら届きません、みたいな。ただ、シティ時代にその辺りを合わせるのが段々と上達していき、このあと移籍したポーツマスでは、普通に安定した良いGKに成長している。まさか30も半ばのオッサンが劇的に成長していく姿を見るとは思わなかったが。


3人目のウィーヴァーはギヴンと迷ったが、期待の若手GKとして90年代後半の昇格、降格を味わったとき、その後怪我でほとんど試合に出られなかった3年間、そしてイサクソンスウェーデン代表)が全然使い物にならなかったので急きょお鉢が回り、残留に向けて奮闘した06/07シーズンと、弱かった時期を支えてくれた選手として思い出深い。やけにキックの飛距離が出る選手だった。


■CB(4人)
ヴァンサン・コンパニ
リチャード・ダン
シルヴァン・ディスタン
マイカ・リチャーズ


圧倒的なパワーとスピードを兼備、相手のポストプレーを片っ端から潰しまくる、ワールドクラスのCBへと進化したスーパーコンパニさまだよ。 その威力は圧倒的と言われているけれど、相手が微妙なほどこっちのミスも増えるんだよね。ちぇっ。
ま、こないだのバルサ戦でメッシのドリブルを真正面から止めたのを見たときはたまげましたよね。あ、やっぱ化けモンだな、みたいな。

ダンは見始めた頃はただの鈍くさい奴だったが、ディスタンとコンビを組んだあたりからストッパーとしての才能を開花させていき、最後の方はスペースさえ無ければロナウドだろうがなんだろうが問答無用で止めていた。5年連続チームMVPもむべなるかな。レスコットと入れ替わりで放出された09/10シーズン、アストンヴィラで意地の大活躍を見せていたのは記憶に新しい。

ディスタンは存在感の薄さを考えると1stセットには成りえないのだけども、ダンと組んでリーグで5番目か4番目に少ない失点だった07/08シーズンの活躍を主に評価。キャプテンとしては揉め事の仲裁とかあんまりしない人だったが。息が長く、今もエヴァートンでバリバリレギュラー。

今や右サイドバック、いやプロリハビラーとしてのイメージしかないと噂されるマイカちゃんだが、実はCBとして2007年8月のリーグ月間MVPを受賞している。接近戦に強いダンが前に出て相手を潰し、裏を狙われたらアホみたいなスピードを活かしてリチャーズがカバーする、という形で非常に機能した。まあ、シーズン後半になると大分ボロが出ていたが。


■RB(2人)
パブロ・サバレタ
孫継海

イギリス1頼れるハゲの名をジェイソン・ステイサムと争っているともっぱらの噂のサバレタは、最初「アルゼンチンによくいる、サイドバックボランチがこなせる労働者タイプ」としか思わなかったが、こんなに攻めのセンスがあるなんて。

弱い時代の右サイドを支えた孫さんことソン・チーハイは、質はそれなりだが、どのポジションでも精いっぱい頑張った人として現地フォーラムでも評価が高い。ちょっと血の気が多かったのも特徴である。


■LB(2人)
アレクサンダル・コラロフ
ニクラス・イェンセン

ぶっちゃけ人がいないのが左サイドバックである。この10年を振り返ると、イェンセン⇒タルナトサッチャー⇒ジョーダン⇒ボール⇒ガリード⇒ブリッジ⇒コラロフ⇒クリシ。このうーむ感。サッチャー、ジョーダン、ボールの並びとか華が一つもない、典型的なイングランドサイドバック三連発である。みんながんばるけどね。

ということで、素っ頓狂な左足があってまだ面白いコラロフと、いつも安心安定のニック・イェンセンを苦し紛れの選出。


■中盤センター(守備的/2人)
ナイジェル・デ・ヨン
ディートマー・ハマン



ナイジェル・デ・ヨンク、通称ナイジェ。潰しの天才だ。シャビ・アロンソでも蹴っ飛ばしてみせらぁ。でもレッドカードだけは勘弁な。

よぉ、お待ちどう。俺様こそディートマー。通称クレイジージャーマン。カードもらわずに足首を削る腕は天下一品。奇人?変人?だから何?

という、血も涙もない2人。


■中盤センター(攻撃的/2人)
ティーヴン・アイルランド
ヤヤ・トゥレ

未だもってアイルランドほど良い選手はいなかったと思っている。ふわふわと回遊しながら少ないタッチでボールをさばき、危険なスペースにスッと入ってきてスルーパス。守備でも危険なところ、相手がパスを出してくるところを察知するのが速く、何度も未然にピンチを防いでいた。最盛期がチームとして上手くいってなかった08/09だというのが残念でならぬ。

ヤヤ様は割愛。ピッチを這いずり回る名状し難き禍である。次点は魔術師アリ・ベナルビア。昇格したシーズンの後半にレギュラーに返り咲き、ベルコヴィッチとともに昇格チームとは思えないクオリティを発揮していた。「ワタシ、引退するネ・・・今までアリガト・・・最高の思い出デース・・・」という涙の別れの数日後にしれっとカタールかどっかのクラブと契約していてズッコケさせられた。


■トップ下・ウイング(4人)
ダビド・シルバ
エヤル・ベルコヴィッチ
エラーノ
ショーン・ライト=フィリップス


今回の「絶対的質ではなくその時の印象度で」という基準の煽りを受けたのはナスリ。すまんがどうしてもシルバがいるとね。あとその前の年、アーセナルで10得点10アシストしてたではないか、というところも残念さが残る。
あと次点はマルティン・ペトロフ。ドリブルは大したこと無かったが、スペースがあれば突っ掛けて鋭いクロスを上げられる、貴重な選手だった。いなかったからね。そういうのは。

ベルコヴィッチはシティにのめり込むことを確定的にした、思い出深いファンタジスタ。スルーパスの出し手としてはシルバに次ぐ。エラーノはクラブが「金持ち」になった最初のシーズンである07/08において、「ああ、ほんとの代表選手ってこんなクオリティがあるんだ」という感覚をもっとも与えてくれた。SWPは04/05の孤軍奮闘が思い出深い。何気に中央に入ってきてのスルーパスが上手かった。

■FW(4人)
セルヒオ・アグエロ
ニコラ・アネルカ
ショーン・ゴーター
カルロス・テベス

まともな選手を4人選んだらこの人選、としか言いようがない。ベラミーはちと迷ったが。



■まとめ
うん。どう選んでも、今の面子そのままの方が強そうなのはしょうがない。思い出はいつも美化されるものである。