2014/15 プレミアリーグ前半戦レビュー「それでいいのか二人旅」

今年も大枚はたいてのコケ芸が各地で繰り広げられている今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。おもにロンドン方面のコケ芸によって早くもジョゼとの二人旅の様相を呈してきておりますが、それでいいのかお前たち。サンチェス買って優勝じゃなかったのか。
今年はなんと未だに監督解任ゼロという珍しいシーズンだが、ここから年末のイカレポンチな日程をクリアできるのか、とくにマージーサイドとミッドランズで怪しい臭いがぷんぷんするぜ。ちょっと早いけど、ほぼ日程の半分を消化ということで、最下位から順に振り返ってみることにします。





■20位 レスター 2勝4分10敗 勝点10 得点15 失点27
10年ぶりにプレミア復帰のフォクシーズだが、情勢はやはり厳しい。序盤はアーセナルに引き分け、まんゆを5-3で粉砕と順調に勝ち点を重ねたが、それ以降全く勝てず、ずるずると最下位へ。
別にどこかが際立って破たんしているわけではないが、前線で収まる選手がおらず、時間が稼げないまま押し込まれ、かといってブロックの強度もない。
キャプテンの肉体バカモーガンも所詮2部レベルという事実を露呈し、失点27は最多タイ。まあ、そりゃデ・レートとかコンチェスキーが不動のスタメンならそうもなるわな。
トリッキーなドリブルのマフレズ、点で合わせるのが上手いウジョア、爆走ヴァーディなど前線にタレントがいないわけではないのだが、それぞれが単発で仕掛けるに留まっている。
また中盤のドリンクウォーター、ジェイムズがさほどフィジカル面で重しにならず、カンビアッソも守備面ではスピードに戸惑い気味。
前節もちんたらモードのシティに終始余裕をかまされ、大したチャンスも作れないまま1-0で逃げ切られてしまった。
冬に誰か、すくなくともまともなアシストができる選手を連れてこないと状況打開は難しい。この戦力じゃ多分ピューリス連れてきても無理だぞ。




<Pick Up>ジェイミー・ヴァーディ
2部によくいる”スピードだけなら俺負けねえんで”タイプのチンピラ風ストライカー。16歳でプロクラブのユースをクビになり、3年前から7部→4部→2部と上がってきた超成り上がり。マンチェスターU戦では学徒動員のスカスかDFラインを自慢の快足で破りまくって2得点。この思い出だけで一生生きていけるのではないか。






■19位 ハル 2勝7分7敗 勝点13 得点15 失点23
豪華補強で今年はイケるで!と思ったら全然いけませんでした。すみません俺も行けると思ってました。
インス息子、スノドグラス、ラミレスといった2列目の新戦力はさっぱりフィットせず、前線のエルナンデスも使われてはいるものの、わずか3点。点は取れないわ取られるわの踏んだり蹴ったりである。
とくに守備面は目に余るひどさで、去年から主力は変わってないはずなのにすっかすか。サイドの守備意識が薄く、容易にペナ角でポイント作られてからのエリア内でぼかーん。そら守れまへんわ。
中盤センターの2人やSBのロバートソンなどそこそこ面白い面子はいるんだけど、FWがイェラヴィッチ、アルコ、エルナンデスと点が期待できるメンツでは無いので、ひょっとすると降格もあるかも。




<Pick Up>アンドリュー・ロバートソン
スコットランドから来た左利きのSB、という時点でちょっと嫌な予感がしたのだが、何をおっしゃる大活躍の若手DF。
攻守にポジショニングが良く、自分のオーバーラップでパスを引き出せる上にクロスも正確。不調のチームで気を吐いている。まだ20歳ということで、これはビッグクラブが黙ってないぜ。






■18位 QPR 4勝2分9敗 勝点14 16得点 27失点
開幕前に「最悪は、ターラブ、レミら実力者が引き抜かれ、スタメンがいつまで経っても固まらず、冬の移籍でまたバカみたいな補強をして余計混乱、というパターン。」と書いたのだが、案の定そのパターンである。今更リオを買って何をしようと思ったのか。
コーカー、ヘンリー、フェル、イスラ、オースティン辺りは継続的に出ているが、それ以外は猫の目秋の陽デブの腹。
フィリップスとか使ってみたり、バートン先生出してみたり、思い直してクラニチャル出したり。
シティ戦でダイブハマっていたので、開き直ってオースティンとザモラに放り込んどいた方が良いと思うんだけど。このままチームが固まらないようなら、降格の可能性大。



<Pick Up>ユン・ソギュン
オリンピックに出ていた韓国代表の左サイドバック。プレミアに来るアジア人らしく、寄せられてもキッチリつなげ、そこそこ良いクロスも上げるので、大混乱のチームの中で一服の清涼剤に。こいつにパク・チュホとか、韓国の若手も結構良い選手が出てきておるのう。






■17位 バーンリー 3勝6分7敗 勝点15  11得点 24失点
非力。絶望的に非力。ちょろっとしか見てないが、ユーケヴィッチがゴリゴリ押し込むか、イングスがドサクサ紛れに抜け出すか、2つ位しか点の取り方が無い。
3部のファンタジスタ、ジョージ・ボイドも加えたが、それでもやはりタレント不足。希望は”赤毛モウリーニョ”こと監督のダイシュだが、彼が苦心して組み立てた攻撃も良い線行ってはいるのだが、結果には結び付いていない。
一方で戦力的には抜群に最下位ながらここまで降格圏をギリギリ免れているのは間違いなくダイシュの手腕。
バジェットの小ささから考えて、冬に無理な補強を通して結局降格するリスクを考えれば、このまま「残れたらラッキー」な撤退戦を続けるのも悪くない。イングスには引き抜きの噂もあるが、まずはこのエースの確保が第一優先になりそう。関係ないけど、ダイシュってすごい声してるんで必見。ディズニーの悪役かお前は。





■16位 クリスタル・パレス 3勝6分7敗 勝点15  19得点 24失点
突然のピューリス辞任を受けて善戦マン・ウォーノックを招聘。ここまではなんとか残留圏内で食い下がっているが、得点が増えた代わりに失点も増えているのが気になるところ。
ピューリス時代のような極端な引きこもりを止め、ボラシー、パンチョンの両翼を活かして前に出るようになったが、この賭けは勝算が薄いような気も・・・。
相変わらずエース不在で、最多得点はMFのジェディナック。ボラシーとパンチョンのぬるぬるドリブルコンビもシュートは航空宇宙局管轄であり、ジェディナックが壊れたら全てが終わりそう。






■15位 サンダーランド 2勝10分4敗  勝点16 14得点 24失点
開幕当初は中途半端に豪華な攻撃の駒を活かそうと3トップに取り組んだりもしたものの、あえなく路線変更。競合相手には躊躇なく引きこもり、4-5-0-1で籠城戦を展開し始めた。
シティには(というかアグエロには)あえなく惨殺されたものの、途中で加入したレヴェイエールが左バックではまったこともあり、11月は1勝4分けの無敗で快走。
リヴァプールにも順調に引き分け、とにかく石にかじりついて1ポイントを取る左門豊作路線を歩んでいる。
懸念としては、路線変更しつつもポジェはまだ諦めがつかないのか、ウィッカムのサイド起用を続けたり、ファンタジスタAJと同時起用してみたり、微妙に夢を見ている点。
今はまだおっさんDFラインが持ちこたえているから良いが、勤続疲労がたまってきたときにバックリーやブリドカットの起用で割り切れるか。
しかし、アルバレスとAJとジャッケリーニを抱えて全部腐らせておくという、しょうがないけどこのもったいなさ。涙ちょちょ切れるわ。




続く!