星の王子ロングボールを蹴る

<あらすじ>
スペインのとあるサッカークラブで何不自由ない生活を送るレオ
顔なじみの仲間、美しいパス、自分のために誂えられた戦術・・・最高の環境で、レオはありとあらゆるタイトルを獲得し、ついにはこの星最高のサッカー選手として認められる。
しかし、常に最高のプレーを要求されていく中で、レオの心はすり減り、ついにはサッカーを心から楽しめなくなってしまったのだった。


そんなある日、クラブがウルグアイの超問題児ルイスを獲得した代償に、レオはFIFAからイギリス行きを命じられてしまう。
愛するクラブに裏切られ、ぼろぼろの心でロンドンにたどり着いたレオ。移籍先は、レオがこれまで知っていたサッカーとは似ても似つかない、ボールが前後に飛び交う不思議なスポーツをするクラブだった。
ポジションは左サイドだし、ボールははるか頭の上だし、監督はインカム付けてるし、一体これからどうすりゃいいんだ・・・・



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経験したことのない状況に戸惑いながらも、徐々にチームになじみ始めるレオ。ファンからも徐々に声をかけられるようになる。
そんなある日、レオの心を大きく揺さぶる出来事が起こる。同郷人であり、チームメートでもあるマウロが、ロングボールに馴染めないあまり精神を病んでしまったのだ。
廃人と化したマウロに衝撃を受け、チームメートが引き止めるのも聞かず、スタジアムを飛び出すレオ。
「僕は、こんなことのために、ロンドンに来たんじゃないんだ・・・・・!!」


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<登場人物>

ウェストハム

レオ
世界最高のサッカー選手。理不尽な理由からロンドン行きを命じられてしまう。左利きというだけでほとんど経験が無い左サイドハーフに据えられ、見たこともない戦い方に戸惑うが、徐々にロングボールを愛するようになる。
「僕にヘディングをしろと言ったのは、あなたが始めてですよ」



ビッグ・サム
レオのチームの監督。カバと人間のハーフ。108つの異なるロングボールを使いこなす戦術家。
かつてイングランド代表監督の候補筆頭と目されるも、協会内の陰謀によって田舎のクラブに島流しにあった過去を持つ。
どう見てもゴミにしか見えない選手を獲得しては、予想外の活用法で復活させることで知られる。
「小僧、そんな女子供の遊びがやりたけりゃ、アルゼンチンに帰るんだな」



ケビン
チームのキャプテン。ビッグ・サムの子飼いであり、師弟関係は15年に及ぶ。
面倒見がよく、チームになじめないレオを気にかけるが、いつもピントがずれている。
「いいか、レオ。まずお前が何とかしてボールを奪って、そうしたら相手が来るから、お前が何とかして、それでアンディの頭に長いのを合わせてくれ。」



アンディ
チームのエース。呑む・打つ・買うの三拍子そろったストライカー。
かつてはイングランド代表で活躍していたが、チームメートに放火してしまったために追放された。
その性格からレオと反発するも、やがてお互いを認め合うようになる。
バロンドールだか何だか知らねえが、俺にとっちゃあお前はクロス・マシーンでしかねえ」



ダウニー
マージー川の橋のたもとで記憶を失っていたところをビッグ・サムに拾われたMF。気弱だがクロスは上手。
「ときどき、僕がクロスを上げているのか、クロスが僕を上げているのか、わからなくなる時があるんです。」



マット
サイドハーフ。レオにサイドハーフの何たるかを教え込む。卓球が上手い。
「大事なのはスピードでも、ボール扱いでもないんだ。結局最後はボールに飛び込むわけだから、できるだけ固い頭をしてることが、一番重要ってわけ」



マウロ
レオの同郷人。類稀なスピードと繊細な技術を持つが、チームに全く馴染めず、ロングボールを追いかけ続けた結果、ついに発狂してしまう。
「ねえレオ、もし人生をやり直せるとしたら、俺はカタールで一生、ヒゲ面のヘタクソどもを相手に小遣いを稼いでいることを選ぶよ。ヨーロッパなんか、クソくらえだ」




その他のチーム


トニー
ビッグ・サムと並ぶロングボール界の重鎮。イギリスに馴染めなかったレオに重要な助言を授ける。
「坊や、心をシンプルにしてごらん。ただ心が赴くままに、目の前の風景そのままに、言うんだ。『あれぇー!?さっき味方が奪ったボールがあっちに飛んでって、2秒で帰ってきたよおー!?あれぇー!?あれぇー!!??』と」



ルイス
レオがスペインを追われる原因を作ったウルグアイ人のFW。W杯でオフサイドポジションから相手DFに噛みつきつつ手を使って点を決めてしまったため、とても嫌われている。



グレン
マージーサイドの赤いチームで右サイドバックを務める。その壊れた機関車のようなプレースタイルはレオの「サイドバック」の概念を根底から揺るがしてしまう。



セルヒオ
マンチェスターのチームのエース。レオの親友で、代表のチームメート。シュートを打つごとに全治2週間の怪我をする。



パブロ
レオの代表でのチームメートその2。毛髪量と反比例してパフォーマンスが上がっていく。



マルティン
レオの代表でのチームメートその2。嫁がとてもエロい。



ピーター
イングランド代表のFW。身長3m80cm。



クリスチアーノ
スペイン時代のレオのライバル。NASAが開発したサッカーサイボーグ。



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「監督、僕、競ります・・・!!!」





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