Poor man's Man City その1

「さて」
「えらく刺激的なタイトルやな」
「別に調子に乗ってるわけではないねん」
「ならなんやねん」
「Twitterでスティーヴ・シドウェルの話になってやな」
「ふむ」
「シドウェルと言えば組立も守備も前線への飛び出しも一応できる、しかし上位クラスでは厳しい、ということで下位のチームをドサ回りしていることで有名やろ」
「有名かは知らんが」
「それでやな、イギリスだとよく『Poor man's ほにゃらら』という表現をするやんか」
「廉価版、とか、量産型、みたいなニュアンスやな」
「シドウェルはまさに『Poor man's ジェラード』という趣の選手やなと思ったわけや」
「まだ話が見えてこんが」
「いわゆるPoor man's ほにゃらら、つまり国内のもっと安い選手で、今のシティのメンバーを代替するとしたらどんな感じになるやろうか、というのを考えてみたくなったわけだ。」
「やっぱり調子乗ってるやんけ」
「まあ、そう言わんと聞け」

「まずはGK、ハート」
「サイズがあって手が長い、横の反応はすこぶる良い、ロングキックは味方に行かない、クロス、とくに頭にかぶってくるようなものには弱い」
「ジャック・バトランドとかちゃうかな」
「バーミンガムの」
「タッパと反応で何とかするタイプで、ボールを持つと蹴っ飛ばすしかできない」
「イングランド人はたいがいそうやけどな」

「次にサバレタ」
「何回走らせても疲れない、自分では仕掛けられないがポゼッションはできる、絶対的なスピードはそれほどでもない、クロスは深くまで抉ってからの折り返しがほとんど」
「あと警告が多い」
「守備の意識は強いし、切り替えも早い一方で、ぎりぎりのタイミングでは足ごと刈りにいくからな」
「このような特徴を踏まえると」
「スウォンジーのアンヘル・ランヘルやろ」
「ガタイは全然違うけどな」
「良く走る、後ろでボールが持てて繋げる、エリア横に走り込んでいくのが上手いという点で似ている」
「ラテン系のサイドバックってだけで選んでへん？」
「別にそんなことはない」

「左バックのコラロフ」
「攻めではとんでもない速さのアーリークロスと、フォローのタイミングが良い。守備ではポジショニングが怪しく、裏を取られやすい。自分で仕掛ける力は無いが、タッパとスピードはある」
「クロスとFKが上手い、守備のポジショニングが怪しいという点で、ノリッジのハビエル・ガリード」
「元シティやな」
「シティ時代はシーズン前半スタメンを張っていたものの、裏を取られすぎてマイケル・ボールにとって代わられた」
「左足という点では、マット・テイラーもありやとおもうけどな」
「テイラーの左足はスピードだけやけどな」

「センターバックのデミチェリス」
「ふてぶてしい、スピードと機敏さは無い、危機察知はそれなりに良い、組み立てようという意欲は強い。中盤でもプレーできる」
「これもスウォンジーのチコ辺りではないかな」
「ふてぶてしさと組み立て意欲はそうだが、さすがに本職の守備が危なすぎではないかね」
「読みの良さ、ボールを取る上手さと言う点ではコロッチーニという選択肢もある」
「あんなに空中戦強くはないけどな」

「神様仏様コンパニ様」
「これが難しい」
「超人的な身体の強さ、2、3mの加速力があり、対ポストプレーには抜群に強い。組立は上手くは無いが、早いパスを出せる。スピードのある選手にドリブルで仕掛けられると脆い」
「相手を押し潰す強さ、積極的に前に出る自信からすると、セインツのデヤン・ロヴレンなんか良いと思うがな」
「ロヴレンは普通にほしいな」
「あとはちょっと木偶の坊やけど、WBAのヨナス・オルソン」
「足下には自信がなさそうやけど」
「なかなかコンパニの代役をより安価で、というのは難しい」

「ヤヤ・トゥレ」
「これも難しい」
「難しいというのは、あれくらい身体が強くて、スピードがあって、かつ技術に自信が無いとあんなプレースタイルは取らないということで、あんなスペックを持った人間はそういない」
「強いて探すと、ウェストハムのモモ・ディアメちゃうか」
「相手を弾き飛ばす強さがある、手足が長くぬるぬるとキープができる、ボールに絡みたがる、攻めでも守りでも働けるという点で似ている」
「ちょっと良くも悪くも腰が軽いというのはあるけど、守備意識なんかはディアメの方が上やな」
「それはヤヤのように誰にぶつかられてもまず弾き飛ばせるという自信が無いと難しい」

「3,500万の価値はあったと専らの噂のフェルナンジーニョ」
「守備では寄せが速く、混戦でボールを奪うのが上手い。攻めでも長いボールは蹴れないが、確実にボールをつなぐことができ、ミドルシュートで点も取れる」
「WBAのユスフ・ムルンブ、ストークのスティーヴン・エンゾンジくらいかね」
「スタミナがあって広い範囲を走り回れるという点ではムルンブが一番近そうな気もする」
「ちょっとボール扱い辺りのスペックに差がありすぎる気もするが」
「それはブラジル人と比べたらいかんやろ」

「ダビド・シルバ」
「抜群のボールコントロール、相手の逆を取るのがべらぼうに上手い。そして相手の隙間でボールを受けるのも上手い」
「クオリティという面では一番難しいやろな」
「やから高い給料もらってるんやけどね」
「強いて言えば、ロベルト・コレンかね」
「WBAのスロベニア人やな」
「とにかく相手の隙間で浮くのが抜群に上手い」
「DFラインからボールを引き出し、FWが抜け出せばきちんとそこに届けることができる。サイドチェンジも上手い」
「ボールキープや敏捷さでは劣るけどな」
「それができたらWBAにはおらん」

「さて次は」
「ちょっとナスリ以降悩むので、次回に回そうと思う」
「そう言って投げっぱなしにするのが昔のブログでよくあったパターンだが」
「今回はそんなことはないと思うので、興味があればお読みください」
「また次回」