選手別売買方針に関する所感


さて、ヤヤ・トゥレコラロフの残留宣言と、ミルナーの移籍が決まった今日この頃であるが、今回の移籍市場および選手編成に対して個人的に望むのは、1.ユース育ちの登用を含めた若返り、2.新たな主力候補(候補で良い)になり得る大物の獲得、3.大物外国人ベテランの放出、である。
収益基盤が安定し始めたシティだが、新興クラブゆえ、ピッチ内での成績下降が収入に与える影響は大きい。現在の主力に限界が見えたからには、短期的には戦力が落ちても、3~5年先を見据えた戦力の刷新が優先であるべきだ。
また、FFPが導入されて以降、ロビーニョ式の獲得連発は難しくなった。この状況において現在のようにユース育ちを二束三文で手放し、HG適用選手をバカ高いプレミアムを載せて買う行為を繰り返していると、主力の外国人選手にかける投資が圧迫される。別にHGの主力を揃える必要はないが、戦力を保つためにはある程度自前ないしは安い選手でHGを満たさなくてはならないのだ。




GK 
ハート:キープ。
カバジェロ:HG適用で適当な選手が見つかるなら売却も検討すべき
ライト:キープ


ハートとライトおじさんについては特に言うことはない。引き続き頑張って頂きたいところである。問題はカバジェロで、GKは相対的に安く手に入りやすいため、できればHG適用選手を手に入れたいところである。ほとんど使わない選手に貴重な外国人枠を使うのはもったいない。チェルシーはグリーン獲得を検討しているとのことだが、ぜひ横やりを出してほしい。ちなみに、グリーンよりも望ましいのはキャスパー・シュマイケルである。なんせホームグロウンどころか、自クラブ育成。





CB
コンパニ:キープ
デミチェリス:微妙なところだったが、まあ1年ならいてもらった方が良いかも
マンガラ:キープ
デナイエル:キープ、かつ1stチーム入り
レキク:(我慢してくれるなら)ローン、2016/17シーズンから1stチーム。


いくらフォームを崩したとて、おいそれとコンパニ様は手放せない。嫁もいるし。マンガラには期待している。デミおじさん、デナイエル、レキクについては少々悩みどころで、まずレキクは21歳以下(25人の登録制限関係無し)だが、すでにHGルールは間に合わない。そしてローンばかりの生活に辟易していることをメディアに漏らしている。デナイエルは恐らくギリギリ自クラブ育成適用が間に合うのだが、そのためには2015/16、2016/17シーズンと連続してシティに在席させなければならない。


個人的には2人とも手放すには惜しい人材だと思っているのだが、もしレキクが今すぐ1stチームでの出場機会を求めているようなら、放出も止むをえまい。偏見かもしれんが、オランダ人CBにはあまり信頼が置けないと思うのは私だけだろうか。
そういうことで、レキクとデナイエルの2枚残し、デミチェリス放出も考えたが、デミおじさんは1年の契約延長ということで、デミチェリスと若手1枚を残す体制で良いと思う。すでにHGが間に合わないレキクよりも、優先すべきはデナイエル。レキクは1年ローンで待ってもらいたいが、もう嫌だということなら仕方が無い。理想的には、どこかプレミアのクラブに貸したいところだが。





RB
サバレタ:キープ
サニャ:キープ
リチャーズ:放出


リチャーズの放出は既定路線。すでに本人も出る気満々である。サニャのところはHG適用で目ぼしい選手がいれば入れ替えても良いが、移籍の噂があるのはセインツのナサニエル・クラインぐらい。獲得は難しかろう。戦力的にはもちろんこのベテラン2人で特に不満は無い。ユースにもとくに目ぼしい選手はいないようだ。





LB
クリシ:キープ
コラロフ:売却すべき
アンジェリーノ:もう1年下のカテゴリーで経験を積ませるべき


コラロフ兄さん残留宣言は意外であった。移籍してもらって、結構だったんですが。給料の高さがネックなのだろうか。パフォーマンス上もやや不満、年齢も行っているということで、逸材と名高いアンジェリーノの成長を待ちつつ、クリシで粘り、1人新規に獲得する、というシナリオを望む。リカルド・ロドリゲスなのか、クレスウェルなのか、そこは手なりだ。




CMF
ヤヤ・トゥレ:売却すべき
フェルナンジーニョ:キープ
フェルナンド:代役が£15M以下程度で手に入るなら売却も検討すべき
スクリーニ:ローン


さて、「ヤヤちゃんどこにもいかへんで!!宣言」事件である。「Don’t have to be worried」だって。ははは。
私はヤヤのことを、4-4-2のセンターで使うには収支がマイナスになるケースが多い選手だと思うが、一方でトータルとして彼の存在がプラスかマイナスかといえば、プラスだとは思っている。今のところは。ヤヤより守備をする選手がいたとして、そいつを使った方がトータルの勝ち点はプラスになるのだろうか?今はまだ、答えはNoだと思う。大分ギリだが。


とは言え売るべきだというのは、要するに影響がでかすぎなのだ。ボール触りたがりだし。置いとく以上、どうしても攻め方も守り方も変わらざるを得ない。ナバスみたいに世界中いつどこに試合に放り込んでも変わらない選手とは違うのだ(あれはあれで良し悪しである)。給料も高いし。だから埋め合わせがすぐには難しくても、売ってほしかった。


ジーニョはキープ。48億は伊達じゃない。フェルナンドは正直不当に批判され過ぎなのではないかと思うが、アレックス・ソングがそれなりの金額で手に入るなら、売却もリーズナブルである。スクリーニはプレシーズンで躍動していただけに1年間をほぼ棒に振ってしまったのが悔やまれるが、まだ使うのは難しかろう。プレーもジーニョみたいだし。


できればヤヤを売って、ポグバやディマリアのような攻守に幅広なタスクを担えるインサイドハーフと、あと1人レジスタが務まる選手がほしいのだが、はてさて。2列目に次ぐ、優先補強ポイントだと思う。





AMF
ナスリ:売るべき
ナバス:残すべき
ロペス:1stチームに引き上げるべき
シルバ:親を質屋に入れても残すべき


個人的にはNo.1のプライオリティ。シルバを軸として、攻守に高水準の選手を揃えられないと、今後のタイトル獲得競争は厳しい。ナスリについては、私はむしろ攻撃の方に不満があった。去年の12月の水準で通年働けるならいてもらっても構わんが。
ミルナーが去った今、ある種の拠り所としてナバスのようなシングルタスクマンは不可欠。ひどいミスもしないし、相手がバーンリーだろうがバルセロナだろうがCKはとってくれるのだから、もっとCKの練習をしてもらいたいもんである。
そしてようやく出てきた自クラブ育成枠として、ロペスは長い目で見守りたい。これまでの出場機会を見るに、守備もやる気が無いわけではなさそうだ。新規獲得はスターリングよりはデブライネの方がマシではあるだろうが、シルバの太刀持ちが務まる選手であってほしい。




FW
アグエロ:親を(ry
ジェコ:売るべき
ボニー:キープ
ヨベティッチ:キープしても、いいんじゃない?
イヘアナチョ:キープかつ1stチーム入り


ジェコはボニーと被るのでなあ。好調時の決定力、あの「あと一歩」を無理くり突破するパワーは捨てがたいところもあるが、やる気なくし過ぎである。ポストも、ボニーの方が7倍くらい安定感あるし。
イヘアナチョは使えそうなら、使ってみても、というくらいの。(今のチームには貴重な)若干MF寄りのようだし。
で問題はヨベティッチだ。Twitterやファンフォーラムを見る限り英語圏のファンは大分不満なようだが、個人的にはかなり貴重な選手だと思っている。FWとしては守備の意識が高く、MFとしても使えて、シルバの装備の1つとして崩しのサポートもできる。まあ大分こう、変わった形状の武器というか、これどっから弾が出るの?っていう感じはあるのだが。本人に残る気があれば、残してみてもいいのではないだろうか。頼むよマヌエル。

トッテナムらしさ


「今、彼らはカイル・ウォーカーという右サイドバックを持っている。3年前に最優秀若手選手賞を取ったやつだ。セルヒオ・アグエロを押さえて。少し怪我が多いけど、まだ24歳で、肉体的にも頑健。スピードもあるし、守備もそう悪くない。半年前までは、カイル・ノートンもいた。ウォーカーと一緒にシェフィールドから引き抜いた。イングランドのアンダー・21のナショナル・チームで9キャップ持ってる。それから、デアンドレ・イェデリンがいる。20歳でUSAのメンズ・ナショナル・チームに選ばれて、ワールドカップにも出た。とても脚が速いんだ。ASローマも狙っていたらしい。ちょっとした争奪戦だったそうだよ。それにエリック・ダイアーもいるね。彼は少々変わり種で、ポルトガルで育ったんだ。10歳のときに引っ越したんだそうだよ。本職はセンターらしいが、右サイドバックもできる。身長が188cmあるから、これ以上エア・バトルに強いサイドバックはそういないだろうね。ブラナ・イヴァノヴィッチのようになるかもしれない。」



「そして今日、キーラン・トリッピアを獲得するという噂が出回った。バーンリーにいる右サイドバックだ。もともとはマンチェスター・シティのユースにいて、相当に将来を期待されていた――ほら、あそこはアブダビの大富豪に買収されてしまったから、若手選手がデビューするのは難しいんだね――年代別のナショナル・チームにも入っていたそうだ。バーンリーは降格してしまったけど、彼のクロスは見ものだよ。もしかしたら、スケールの小さいダニ・アウベスのようになるかもしれない。」




「それで」彼女はグラスを手に取り、僅かに残ったトマーティン・レガシーを一口舐め、僕を見て言った。「結局、誰が右サイドバックをやるの?」



「ヴラド・キリケシュ」

We Can (Not) Advance

A Hundred Million Reasons


I can give a hundred million reasons to build a barricade.


あまり評価されなかったアルバム『Standing on the Shoulder of Giants』の最後の曲、『Roll It Over』において、リアム・ギャラガーはこう歌っている。
1億個とはいかないけども、シティが過ごしたこのみじめなシーズンに傷つかないように、10個かそこらの理由を挙げることはできると思う。
例えば、W杯の疲れが他チームに比べて大きかったのだとか。
例えば、無謀にもバルセロナ相手に4-4-2で戦いを挑む、我らがチャーミング・マンの戦術的な無能さによるものであるとか。
例えば、昨シーズンの優勝と相次ぐ大型の契約更新が、主力選手のモチベーションを奪ったのだとか
あるいは、不公平なるFFPの制約がチームの強化と再生を妨げたのだ、とか。もっともペレグリーニ自身、先週ようやくこの言い訳を発見したばかりなのだが。
前提に疑問を呈してみるのも悪くない。そもそもこのシーズンは失敗だったのか?4シーズンで2回の優勝、タイトルは全部で5つだ。投資対効果がどうだのと宣う連中は無視しておけばいい。どうせ「効果」の定義もしない連中なのだ。そもそも、皆シティが数年前まで糞のような存在だったことを忘れていないだろうか?
だから我々は、さほど傷つく必要はない。確かに満足なシーズンでは無かったかもしれないけども、4年間で2回のプレミアリーグと、FAカップリーグカップ、それにコミュニティシールドは、そう悪い成績では無いはずだ。



いや。結局のところ、これまで挙げたような話は無意味だ。無意味どころか嘘でもある。理由ならいくらでも上げられるけど、結局のところ私自身が、誰に説明する必要もなく、今シーズンの成績をどう思うか、なのだ。そして私は残念に思う。十分でなかったと思う。もっと違った2015年の春を期待していたと思う。





Remember York City ?


日曜日、哀れなシティはオールド・トラフォードで、マンチェスター・ユナイテッドに4-2で負けた。4-2!!怒らないで聞いてほしいけど、シーズンが始まる前、アーセナルマンチェスター・ユナイテッドに劣ることになろうとは、正直思っていなかった。それはその2チームが嫌いだからでも、その2チームのファンに喧嘩を売りたいわけでもない。嘘に聞こえるかもしれないけど、出来る限り客観的であろうとした結果としてだ。直接対決なら1つや2つ負けることもあるだろうが、よもや順位で下になるだなんて、思いもしなかった。


事実、クリスマスまではそうだった。アーセナルとははるか12ポイントの差が開き、チェルシーの一人旅に何とかシティが食らいついていた。エティハドでのダービーは、スコアこそ1-0だったけども、シティが負けることを想像するのは、とてつもなく難しいように思われた。でもそこから、シティはこの数シーズン見たことのない勢いで転げ落ちていった。エティハドではアーセナルに敗れ、オールド・トラフォードではマンチェスター・ユナイテッドに圧倒された。正直に言って、よく4-2で済んだというところである。今現在、シティは明らかにこの2チームに劣っている。



最初のうち、冒頭に挙げたように、私はいくらでも“理由”を見つけることができた。4-4-2への固執。中盤の守備意識の薄さ。ヤヤ・トゥレの衰え。クン・アグエロの怪我。我々が弱いのは、監督の間違った戦術と、おごり高ぶった選手の怠惰と、それと少しの不運によるものなのだと言い合って、壁を築くことができた。
あるいは、相手があまりにも強すぎたということもできた。バイエルンバルセロナと2年連続で対戦するなんて不幸は、そうそう起こるものではない。選手のほとんどが世界王者になったことがあり、メッシと、スアレスと、ネイマールを揃えたチームに、我々がどのように対処しえたのか?と。
そしてそれは、ある種の「ヨーク・シティを思い出せ」式の考え方に相乗りするものでもあった。冒頭で書いた、「そもそもシティは糞だった」式の、甘ったるい回顧主義だ。我々が2部リーグ(2部リーグ!)昇格を目指してヨーク・シティや、ジリンガムや、チェスターフィールドと戦っていた頃、バルセロナリバウドフィーゴを揃えて、スペインリーグの王者だったのだ。私がシティのファンになった2002年の夏でさえ、シティはようやくプレミアリーグに戻ってきたところだった。それも定位置に戻ったのではなく、エレベーターの絶え間ない昇降の1つとして。あの頃を思い出せ。ヨーロッパのベスト16に進んだだけでも十分過ぎるじゃないか。思い出せ、我々はヨーロッパの偉人達が居並ぶクラブの末席に、ついこの間座ることを許されただけの存在なのだ。




しかして、2月、3月、4月と時が進み、相手が天下のバルセロナからバーンリーに代わっても、何回インターナショナル・ブレイクを挟んでも、シティの調子は戻らなかった。それどころか、ますますおかしくなった。チェルシーの調子だって決して良くは無かっただろうが、差は開く一方だった。
何より私を落胆させたのは、選手も、監督も、決してサボっていたようには見えなかったことだ。もちろん我々が安定的に勝ちを収めていた頃ほど良くは無かったが、目に見えてタスクの遂行を拒否していた選手はいなかったし(強いて言えば、エディン・ジェコくらいなものだ)、我らがチャーミング・マンも、必要に応じて悪名高い4-4-2をひっこめたりもした。それでも結果はついてこなかった。





Where Did it All Go Wrong?


一体どこで、何が狂ってしまったのだろうか?
まず言えるのは、今シーズンの不調は、ペレグリーニの采配だとか、選手のやる気だとか、そういった短期的で偶発的な問題によるものではないということだ。
まず采配について言えば、今シーズン、ペレグリーニが4-4-2を採用するたびに(そして相手がニューカッスルで無い限り)、試合後のファンフォーラムやTwitterには、彼お気に入りのシステムがいかに中盤を数的不利に陥らせ、DFラインを無防備にし、ヴァンサン・コンパニに無茶なタックルを強いらせるものであるか、いかにこのシステムが時代遅れであり、ヨーロッパのトップチームがすでに見捨てたものであるかについての意見が溢れていた。


一つ一つはその通りだ。エティハドでのバルセロナ戦も、アンフィールドでのリヴァプール戦も、何もあのメンバーで4-4-2を採用することは無かったと思う。では4-4-2じゃなかったら、もっとマシな戦いができたのだろうか?恐らく答えはノーだ。4-2-3-1で臨んだQPR戦でも、バルサ戦のセカンドレグでも、オールドトラフォードでのマンチェスターダービーも、シティは良いようにボールを回されていた。そもそも、いわゆるビッグチームを相手にする際、ペレグリーニは4-4-2よりも4-2-3-1の方を好んでいるのだ。シンプルな結論は、我々は守備の組織を構築することに失敗したのであり、どんな風に並んでも、QPRにすらポゼッションを握られうるチームだということだ。



選手のやる気については議論のしようがない。確かに2月以降のサミル・ナスリエディン・ジェコの態度を擁護することは相当に難しいけれど、シティの“チーム・スピリット”とやらがライバルに比べて劣っていると、どうやったら証明できるのだろうか。今シーズンの結果が良くないから?。高給に釣られてやってきた金の亡者の集団だから?。その金の亡者どもは、3年前にプレミアリーグの歴史上最もドラマチックな逆転優勝を達成しているのだが。要するに我々がチームの精神面に言及する時、それは多分に試合結果にこじつけたものでしかないのだと思う。そしてこれらは同時に、冒頭に挙げた“1億でも挙げられる理由”を否定するものでもある。辛いことだが。



個人的な意見だが、問題は二つに分けられる。ペレグリーニのチームが当初から抱えてきた問題と、アブダビ化以降のシティが構造的に抱える問題だ。
前者について言えば、まず一つ目は我々のチームが守備をする方法を知らないということ。元々マンチーニの時代にも、ボールを奪われたら前線はお役御免、あとはボランチとDFラインが何とかする、というチームだったが、ペレグリーニの就任以降、その傾向はひどくなった。2トップだろうが1トップだろうが、中盤に広大なスペースが空くことには変わりない。有能なボールハンター(ブラジルコンビ)やアンカーマンハビ・ガルシア)がいても、2センターのヤヤ・トゥレが相方に守備の負担を全て押し付けているように見えても、私が知る限り3センターや4-1-4-1には一度も着手していないから、恐らく今後も無いのだろう。


二つ目は、戦い方が余りにも画一的ということだ。どのチームでも言われることだが、実際には2つの異なる戦い方を1つのチームに両立させるのは難しい。ベニテス時代のリバプールや、モウリーニョ以降のチェルシーのようにはなるのは至難の業だ。それでも、少なくともバルセロナバイエルンと戦うときと、バーンリーやウォルバーハンプトンと戦う時で、同じような戦い方は取るべきではないはずだ。優勝した2013/14シーズンも、その課題が無かったわけではない。昔ブログにも書いたが、2015年の年明け以降、本当に良かった試合は1試合くらいしかなかった。得点力でごまかしていたに過ぎないのだ。
そして今シーズンもその課題は解決されず、むしろ悪化した。ウェストハム、ストーク、QPRのように、ボールを持つことをそもそも望んでいない相手にすらボールを保持された。
バルセロナ戦では直前のニューカッスル戦と同じ4-4-2、同じアティテュードで臨み、90分間袋叩きに会った。


3つ目は、若手選手を積極的に使わなず、世代交代を進めなかったこと。確かにペレグリーニは早急に結果を出すことを求められていたかもしれないが、我々のスカッドが高齢化しているのはシーズン前から明らかであったし、そもそもマンチーニを更迭したときの名言である“Holistic approach”はどこに行ったのだろうか?
ただし、これについてはは見方の問題もあるだろう。ペレグリーニは決して若手を全く起用しなかったわけではない。ファンの間で評価が高いナスタシッチやデナイエル、デニス・スアレス、マルコス・ロペスが使われず、使われたとしてもボヤタやホセ・アンヘル・ポゾであったことが、ペレグリーニに対する厳しい見方に繋がっているように思える。
一方で、若い有望選手の扱い方があまり上手くないように感じるのは避けがたいところだ。まずユースの筆頭だったデニス・スアレスはトップチームで試されないまま放出されてしまい、セビージャでチームの中心になった。ちょうどシティが、シルバ、ナスリ以外にクリエイティブなMFがいないことを嘆いていたときにだ。
また、マティヤ・ナスタシッチとカリム・レキクよりもデドリク・ボヤタとエリアキム・マンガラを優先し続け、結局マンガラ以外の3人を全て失いそうなCBについても同様だ。個人的な意見を言えば、皆ナスタシッチとレキクについては夢を見過ぎている気がするのだが、それでも損をした気分になる人がいるのは当然であろう。
率直に言って、ペレグリーニがこの問題を解決できる男なのかどうかは判らない。ただし、アインシュタイン風に言えば、「同じことを繰り返しているにも関わらず違う結果を期待するのは狂って」いる。少なくとも今シーズンの戦いから、ペレグリーニに違う結果を求めることは難しそうだ。例え3月以降に大崩れせず2位だったとしても、ファンの心情としては退任を望んだと思う。これについてはTypical CityのRob Wilsonが私の気持ちをよく代弁してくれている。




そして、これまで書いたような「ペレグリーニのチームが抱えてきた問題」の多くは、“アブダビ化”以降のシティが構造的に抱える問題によって引き起こされ、かつ強化されてきた。守備についてはペレグリーニの個人的資質によるところが大きいだろうが、これまで同じ戦い方でタイトルを勝ち取ってきて、かつ30台前後に達したベテラン選手たちに、今までと大きく違うことをやらせるのは土台難しい。それにスカッド編成に手を入れるにしても、高給取りが中心のためにそもそも放出交渉が難航するのだ。
高年齢化について言えば、ADUGの買収以降、短期間で中堅クラブからCL優勝候補まで成長することがクラブの目標となったため、クラブはシルバ、トゥレ、ナスリ、アグエロといった即戦力を中心に集めたために、全員が同じタイミングで同じ問題に直面することになった。また、他のチームと比べて、成績をある程度度外視して若手を育成する余裕が相対的に乏しかったのも確かだろう。
高年俸は財政を圧迫し、かつパフォーマンスの低下がファンの不満につながりやすい原因だが、これもブランドが無いシティが有力選手を集めようと思えば、必然的に年俸にプレミアムが乗るためだ。ここまで書いたことと同じように、これもあくまで自業自得だが、FFPが制定されたタイミングも、シティにとって芳しくは無かった。つまり、急速な補強政策で戦力を揃え、必然的に損失が続いたところでFFPが制定されたため、スカッド編成の新陳代謝は遅れることになった。



一方で、ここまで挙げた問題は、もちろん永続的なものでは無い。まず、2回の優勝を経て、現在の主力を獲得した際よりもある程度ブランドが向上しているから、以前ほど売り手有利で交渉を進める必要はないだろう。また、シティ自体の財政基盤も健全化し、かつ収益力が拡大しているから、今後大規模な支出ができないわけではない。もちろんFFPの範囲内でだが。





We Can (Not) Advance


さてようやく本題に入るが、すでに世界中で報道されているように、我々は今年の夏、シティの歴史上屈指の成功を収めたチームの入れ替えを始めなければならない。シティファンとして、個人的には初めての経験だ。何せそれまでシーズンごとの戦力を揃えるのに精いっぱいで、輝ける(そして痛みを持って解体しなければならない)チームというものを持ったことが無かったのだから。


これも溢れるほど報道されていることだが、チームの再編成に当たっては、いくつか条件がある。まず第一に、ホームグロウンルールを満たさなければならない。我々がCL出場権を逃すほど間抜けで無い限りにおいてだが、とくにCLのルールは厄介だ。プレミアは外国人を17人以下に抑えれば済む話だが、CLは自クラブ育成選手を最低4人、その他のホームグロウン選手を最低4人、25人のリストに入れなければならないのだ。まず、フィナンシャルフェアプレイのために支出を抑えたいことを踏まえれば、シティが今からCLで活躍できるレベルのホームグロウンプレイヤーを純粋に8人揃えるのは不可能に近い。マンチェスター・ユナイテッドアーセナルはこの条件を満たしているが、それはHGルール制定によって英国人選手の移籍金が跳ね上がる前に獲得した選手がいるか、16歳の頃に海外から連れてきた選手を辛抱強く主力まで育てるか、クリス・スモーリングで我慢するか、どれかを選ばなくては不可能で、いずれにせよ戦力をなるべく維持しようという前提に立てば難しい策だ。


現在のチームのうち、確実に維持できるHG適用はハート、ライト、クリシだけだ。ランパードは退団が決まっており、ボヤタは退団希望を(彼らしく礼儀正しく)口にし、ミルナーは言うまでも無い。ハートたち3人はいずれも自クラブ育成の選手では無いから、シティがHGルールを満たすためには、理論上ユース育ちを呼び戻す(マイカ・リチャーズ、スティーヴン・アイルランドダニエル・スタリッジ、ネダム・オヌオハ)か、今いるユースの選手たちを大量に登録するしかない。現実的には後者だ。
これはチェルシーが採用している方式でもある。チェルシーのCLスカッドはほぼ成熟した外国人で占められており、主力のHG適用者はテリーとケイヒル、セスクだけだが、ロフタス=チーク、ソランケといったユースの選手が主に数合わせのために登録されている。めぼしいイングランド人選手は凡そ市場に出回らず、出回ったとして異常なプレミアムが乗る現状を考えれば、賢い策である。もちろん、少人数のスカッドでシーズンを乗り切る自信とメディカルチームの腕がなければ出来ないが。
8人全員をユースの選手で満たすのも非現実的だから、少なくとも1人か2人は、主力として計算できるHG適用の選手を買いに動くはずだし、そうあるべきだろう。いずれにせよ、来シーズンはユースや、英国人の若手選手を、スカッドのより深いレベルに関わらせることになるだろう。


もう一つは、これもまた散々議論されてきたところだが、チーム全体の年齢を引き下げなければならないということだ。過去5年、シティにタイトルをもたらしてくれた選手たちのほとんどは30歳に差し掛かっている。今年3月以降の大失速の原因が、年齢によるものではなかったとしても、世代交代を考えなくてはならない状況だ。彼らは控えめに言っても過去3年間、国内で最強のメンバーの一つだった。私は例え彼らがこの先どんな風にシティの悪口を言ったりしても、一生彼らに感謝しながら生きていくつもりだし、できることなら全員幸せのうちに別れたいと思うけど、それでも何人かには、さよならを言わねばならないだろう。



HGと年齢の引き下げが首尾よく行われたとしよう。我々は恐らく、若く、経験不足で、より縮小したスカッドを持つことになるだろう。そのうちの何人かは、プレミアリーグさえ初体験のはずだ。現に噂が出回っているケヴィン・デ・ブルイネ、パウロ・ディバラ、ポール・ポグバマッツ・フンメルスは皆、プレミアでプレーした経験がほとんどない。当たり前だが、年齢的にもまだピークにさしかかっていない選手たちだ。
一方で、放出が噂されている選手たち―ヤヤ・トゥレ、サニャ、ジェコ、ナスリ、コラロフミルナーヨベティッチ―は成熟した選手としてシティにやってきて、今まさにキャリアの頂点か、それを少し過ぎた辺りにいる。要するに、新しくきた選手たちに、代わりに出て行った選手と同じ働きを求めるのは酷だということだ。我々は過去12カ月、恐らく思いつく限りの罵倒をヤヤに浴びせてきたが、それでも実際問題、ヤヤ以上のセントラルMFを見つけるのはあまり簡単なことではない。
つまり我々は、2011年の夏以来経験してこなかった、そして少し傲慢に聞こえるかもしれないけど、今では遠い昔のようにすら思えるシーズン、すなわち真の優勝候補とは言い難く、CL争いに血脈を上げるような1年を過ごさなくてはならないということだ。


口で言うほど簡単なことではない。恐らく今年の夏は£100Mを超える出費があるだろうが、成績は良くて今年と同程度だろう。きっと新しい選手たちはリーグで屈指の高年俸をもらうだろうが、勝点の順位は年俸のそれより2つか3つは下になるはずだ。ステファン・シマンスキとサイモン・クーパーが調べた年俸と勝点の比例式は、あくまで長期的な傾向に過ぎない。
我々は忍耐強く無くてはならない。我々はチャンピオンのチームを解体し、作り直すという、体験したことのないプロセスに入るのだ。文献によればシティが前回それに取り組んだのは約50年前で、それは完全な失敗に終わった。アーセナルはここ10年常にCLに出場し、一度は決勝にも進んだけど、“インヴィンシブル”の功績を再現するには至っていない。チェルシーですら、第一期モウリーニョのチームを立て直すのに、一度CL出場圏外まで落ち込んだ。(奇しくも同シーズンにCLを制しているから、チームの破壊と再生という面では大成功の部類だろう)


それでも、主力の放出と新たな選手の補強は、避けられるべきではない。我々のスタイルはすでに相手に知られ過ぎているし、今の主力選手たちにそれを変えろというのは難しい要求だと思う。もしかしたら噂に上がっているように、カルロ・アンチェロッティユルゲン・クロップはそれを成し遂げられる監督かもしれないが、あまり分の良い賭けではないだろう。
繰り返すけど、我々は忍耐強く無くてはならない。ポール・ポグバを手に入れたとしても、ヤヤ・トゥレのような影響力を期待するのは時期尚早だ。マルコス・ロペスはリールで数試合輝いているけど、サミル・ナスリより現時点で優れた選手だとは思えない。アンジェリーノは期待できる左サイドバックだが、多分コラロフの方が良いプレーをするだろう。それでも、我々は辛抱強く待たなくてはならない。幸いにして、ピッチ外の出来事はいずれも正しい方向に進んでいるようだ。U18チームはFAユースカップの決勝に進み、損益計算書は黒字まであと少しだ。砂漠のオーナーたちは、クラブへの貸付を株式に転換し、£300Mの設備投資までしてくれた。(つまり我々は、アブダビのオーナーたちのおかげで破たんの危機から可能な限り遠くに逃れた。FFPの理念万歳!)シェイク・マンスールとその仲間たちは、いわゆる大富豪オーナーとしては最高級に礼儀正しく、クラブへのコミットメントを示してくれたのだ。恐らく2015/16シーズンは少し辛く、歯がゆい1年になるだろうけど、我々は待たなければならない。ここからまた、前進できることを信じて。


年代別イングランド代表総覧

『みどりのろうごく』さんのこの企画を見て、イングランドについても「年代別のオールスター」を選んでみた。つまり、「各年代ごとに区切ったイングランド代表」。オリンピックに出ていないので、どうしても日本的な“○○世代”というときめきは無いのだが、もしイングランドでも五輪サッカーが注目されていたら、、、という妄想をしてみたくなったと。基準は以下の通り。



1. 区切りは各オリンピックに合わせた4年区切り(バルセロナアトランタシドニーアテネ、北京、ロンドン)。リネカーの言葉を借りるまでも無く、イングランドにおける五輪サッカーの重要性など無いに等しいのだが、便宜的な区切りとして4年は収まりが良いのである。
2. 選出基準はA代表での活躍度、すなわちキャップ数。ただしポジションの制約があるため、各年代でキャップ数の多い11人をそのまま選ぶわけではなく、あくまで目安。
3. 想定ラインナップは、4-4-2。ただしメンバー的にもっとハマりそうな形があれば、それに限らない。




さて、バルセロナ世代(1969〜1972年生)から。カッコ内は、控えとして選出。これ以前の世代は、書いてる私が知らんのである。



バルセロナ世代オールスター


GK ジェームズ (ウォーカー)
CB サウスゲート
CB ハウィ     (エヒオグ)
RB ジョーンズ (バートン)
LB ヒンチクリフ (パウエル)
CM シャーウッド (サラコ)
CM アンダートン (シャープ)
RM ストーン (ウィルコックス)
LM マクマナマン (ガッピー)
ST シアラー (コリモア)
ST A. コール (ダブリン)



中盤の偏りすごいな。シャーウッド以外全員がウィングで、控えの4人に至っては全員左ウイングというバランスの悪さ。左サイドの人材に困るにもほどがあるでしょう。
まあしかし、あれだな。古き良きイングランドというか、全員酒が好きそうと言うか。プロフェッショナリズム、あるんだっけ、というか。コリモア、シャープ、アンダートンという早熟の面子が揃うのも無理は無いかなというところ。また、現代から見ればいかにも不器用な選手ばかりなのも、プレミア以前〜開幕直後に若手時代を過ごしたこの時代のイングランドを象徴している感はある。強いて言えばマドリーでジダンフィーゴに交じってもぎりぎり浮いていなかったマクマナマンくらいか。アンダートンとか、シアラーとか、上手いことは上手いんだけど、身体ごとコントロールするのが上手いというか、足は棒みたいなのにシュートは凄いとか、やられた方からすると納得がいかないタイプの“技術”ではあります。





アトランタ世代オールスター(1973〜1976年生)


GK (なし)
CB キャンベル
CB アンズワース
RB G. ネヴィル
LB グレイ
CM スコールズレドナップ
CM バット     (パーラー)
RM ベッカム (シンクレア)
LM バーンビー (トンプソン)
ST ファウラー
ST フィリップス (サットン)


マンU組」と「ファウラー、フィリップス、サットン」のコントラストが激しすぎるような気が。ベッカム、ネヴィル兄、スコールズ、バットというマンU黄金世代がほぼその才能から期待されるだけの代表キャリアを満喫したと思われる一方で、残り3人はそれぞれの特徴において世界レベルの実力を持っていたことに疑いは無いと思うんですが、代表では不遇に終わっております。
まあブレイクした頃には年齢もあって既に賞味期限が切れる寸前だったフィリップスはしょうがない気もしますが、ファウラーとサットン、もう少し何とかならなかったのかね。ていうか、サットンはシアラーと組んでた“元祖SAS”のときもっと呼ばなかったわけ?



それ以外のメンバーはまあまあ実力なりに活躍したというところ。キャンベルは押しも押されぬレギュラーとして日韓とEURO2004を戦ったし、アンズワースとグレイは、まあ、ねえ?むしろアンズワースは選ばれてたんだ、という。シンクレアは日韓W杯で急きょ抜擢され、無難に左ハーフをこなしたことを覚えております。



シドニー世代オールスター(1977〜1980年生)


GK ロビンソン (グリーン)
CB キャラガー (ブラウン)
CB リオ     (キング)
CB テリー     (アプソン)
RB P. ネヴィル (ミルズ)
LB A. コール (ブリッジ)
CM ジェラード (ダイアー)
CM パーカー (マーフィー)
CM ランパード (ボウヤー)
ST オーウェン (ヴァッセル)
ST ヘスキー (スミス)


うわっ、ていう。わかりますかね、この、うわっ、って感じ。もったいねえ、という気持ちと、色々できるかも、という色気と、あーこれやっぱ無理だわ、という諦めと。間違いなく“黄金世代“ではあったでしょうけどね。



全員スターなんだけど、出来ることの幅は決して広くないという。あと顕著なのは、ゾーンの隙間で受けて相手の組織を崩す、というポジショニングと技術を持った選手がいないこと。彼らがチームで主力となった2004年頃〜はライカールトの指揮するバルサが一世を風靡し始め、同時にDFラインからの組み立てだとか、相手が固めたゾーンを崩すだとか、今日常識になってきたスキルが重要視され始めた時期だったと記憶しておりますが、イングランドはその流れに乗り遅れたんですねこれは。いわゆるBox-to-Boxばっかり。控えまで見ても、ボウヤーが辛うじて本職のサイドですが、これもまた飛び出してなんぼという選手でありました。
今回は3−5−2で組んでみましたけど、まあ引きこもってカウンターやってりゃ強いでしょうね。ヘスキーに当ててオーウェンでGO!ジェラードとランパードがフォロー!!。だけ。変な色気は出さない方がいい。





アテネ世代オールスター(1981〜1984年生)


GK フォスター (カークランド)
CB ジャギエルカ (ドーソン)
CB レスコット
RB ジョンソン
LB ベインズ (ウォーノック
CM ハーグリーヴズ (キャリック
CM バリー     (ジーナス)
RM SWP     (ダウニング)
LM ジョー・コール (リチャードソン)
ST デフォー (ベント)
ST クラウチランバート


あれ、なんか一番強そう。スタメン全員がいかにも収まりが良いというか、こんなチームありそうというか。トッテナム辺りが作っててもおかしく無さそうというか。
低めのDFラインで跳ね返して、バリーとハーグリーヴズが左右にはたき、右はSWPがドリブル、左はコールが絞ってきて、オーバーラップしてきたベインズのクロスからクラウチ、みたいな。まあ直接的にはクラウチとデフォー、ジャギエルカレスコット、という実際にクラブでコンビを組んでいたペアが2つもいるのが大きいのでしょうが。




北京世代オールスター(1985〜1988年生)


GK ハート (カーソン)
CB ショウクロス
CB ケイヒル
RB リチャーズ
LB ミルナー
CM ハドルストーン
CM ララーナ
RM レノン (AJ)
LM ヤング (ジャーヴィス
ST ルーニー (ニュージェント)
ST アグボンラホー (キャンベル)



実は谷間の世代。18人しか代表キャップを持っていないという。アテネ世代が31人、シドニー世代が35人いることを考えると、いかにも少ないですね。
実はこの世代、イングランドとしては珍しくU21欧州選手権でいいところ(準決勝)まで進んでいるのですが、その時の主力だったスティーヴン・テイラー、リオ=コーカー、リタといった面子が伸び悩んだのが痛かった。今回選んだ面子を見ても、リチャーズ、ハドルストーン、レノン、ヤング、アグボンラホー辺りは明らかに20代前半にピークが来てますし、そういう傾向は強い世代です。
そして我らがミルナーはこんなときでも便利屋使い。左バックいないんだよ、すまねえ。アテネ世代には中途半端なのが3人もいる(ウォーノックコンチェスキー、ショーリー)んですけどね。一応代表経験が無い面子で左サイドバックを探してみると、A.テイラー(ミドルズブラ)、サドラー(バーミンガム)、、、、という。ミルナーがやった方が強そう。





ロンドン世代オールスター(1989〜1992年生)


GK マッカーシー
CB スモーリング (コーカー)
CB ジョーンズ
RB ウォーカー (ジェンキンソン)
LB ギブス     (バートランド
CM ヘンダーソンロドウェル
CM ウィルシャー (リヴァモア)
CM クレヴァリー (デルフ)
ST ウォルコット (ロドリゲス)
ST ウェルベック (ザハ)
ST スタリッジ (キャロル)
(4-3-3)



年代が年代だけに当たり前ですけど、全然ありですね。中盤から前は、次の代表選のスタメンですと言われても納得しそう。
ただ年齢的に「ひょっとして、こいつらこのまま伸びないんじゃないか?」という段階に達し始めているメンバーもちらほら。CBの2人組とか、クレヴァリーとか、ザハとか。マンU物件ばっかりだな。

今更選手名鑑 GK・DF編

GK

1 Joe Hart ジョー・ハート 1987.4.19 194cm83kg イングランド
パワーと勇気だけが友達との噂も止まない、不動の正GK。リチャーズ移籍のためチームでは最古参。
昨シーズンは不調で一時サブに降格し、今シーズンもカバジェロが加入したことで定位置が怪しいかと思われたが、今年もレギュラーを確保している。
ノイアー等世界のトップクラスと比べると飛び出しの判断、クロスの処理、キック精度が月とすっぽんのため、ファンフォーラムでは定期的に「ジョーは正GKにふさわしいのか?」という話題がでるものの、結局は「手に入る中では一番マシ」という結論に落ち着く。
「アウェーーーーーッイ!!(クリア)」という声がでかい。そしてバカで明るい。





33 Willy Caballero ウィリー・カバジェロ 1981.9.28 185cm83kg アルゼンチン
マラガから今シーズン加入。サビオラロマニョーリダレッサンドロらとともにワールドユースを制したが、30歳を過ぎるまでスペイン2部でプレーしていた苦労人。ハートとの正GK争いが期待されたが、特に悪いプレーも見せていないのに全く使われておらず、ペレグリーニに騙されて連れてこられたのではないかという疑惑が残る。




37 Richard Wright リチャード・ライト 1977.11.5 188cm89kg イングランド
若かりし頃はアーセナルにも在籍した元イングランド代表。完全にホームグロウン狙いで獲得され、加入以来3年間、1試合も公式戦に出ていない。もうぶっちゃけここの枠は申し訳ばかりの信頼が置けて、イングランド人だったら誰でもいいのである。






DF

3 Bacary Sagna バカリ・サニャ 1983.2.14 176cm72kg フランス
2度のプレミアベストイレブンを獲得している右サイドバック。今シーズン、フリーでアーセナルから加入。
基本的にはサバレタの控えだが、相手の左サイドに強力なアタッカーがいる場合は守備力を見込まれて起用されたりもしている。サバレタほどのランニングはできないが、空中戦の強さ、守備でのミスの少なさは彼の特徴。
将来的にはテュラムのようにCBへの転身を考えているらしく、今シーズンもCB陣の怪我に際して「CB?全然嫌じゃない。いやほんと、全然。なんなら練習もしてるっていうか」とやる気満々だったが、蓋を開けてみたら使われたのはボヤタだった。




4 Vincent Kompany ヴァンサン・コンパニ 1986.4.10 191cm85kg ベルギー
アブダビ買収の数日前にシティに加入し、今や押しも押されぬキャプテン。3回のベストイレブンに加え、11/12シーズンにはリーグMVPも獲得している。超人的な瞬発力とパワーでリスキーなチャレンジを繰り返すため、見ている方は怖い。
これまではルーニーだろうが誰だろうが気持ちいくらいに潰しまくっていたが、今シーズンは金属疲労に守備組織の未整備が重なり、ポカを連発している。
マンチェスター出身でシティファンの嫁がいるため、移籍は不可能。




5 Pablo Zabaleta パブロ・サバレタ 1985.1.16 176cm70kg アルゼンチン
サポーターからの信頼厚い右サイドバックのハゲ。エスパニョール時代はDFラインと中盤の便利屋だったが、シティで世界有数のサイドバックに成長した。
中外自在のフリーランに加え、守備でも外での1on1、絞ってのカバーと両方こなせて頼りになる存在。
スペイン語組の中では一番英語ができるため、よくアグエロたちに頼られている。年々頭髪が帰らざる旅に出ている。




11 Aleksandar Kolarov アレクサンダル・コラロフ 1985.11.10 187cm80kg セルビア
セルビア語ではコラロヴと読むらしい左サイドバックアブダビ初期にラツィオから加入したが、それ以来信頼を得ているやら得ていないやらはっきりしない。
最大の武器は左足のクロス。同じ身体の向きからGK寄り、真横、マイナスと蹴り分けられる上、スピードがとんでもないので、相手を押し込める試合では重宝する。ドリブルは下手。
守備はいるべき場所にいなかったり、無抵抗で相手に抜かれたりと信頼が置けない。
2年前のクリスマスにYouTubeのクラブチャンネルでジングルベルを歌わされ、あまりの惨状に人気沸騰。以降毎年歌わされている。




20 Eliaquim Mangala エリアキン・マンガラ 1991.2.13 187cm74kg フランス
2014年の夏にポルトから£32mというとてつもない額で加入したフランス代表のCB。
パワーと最高速度はびっくりするくらいあるが、自信が無く判断に迷いがちで、これまでは苦しいシーズンを送っている。
ボールをもらったときもとにかく自信がないため、可及的速やかにヤヤに渡すのがミッション。




22 Gaël Clichy ガエル・クリシ 1985.6.26 176cm63kg フランス
2011年の夏にアーセナルから引き抜いた左サイドバック
若いころからヴェンゲルが手塩にかけて育てたため、フランス人だがホームグロウンの資格を持っている。すまんな、アーセンよ。
スピード、小回りに加えボールを持ってもミスが少なく、安心して左サイドの攻撃を任せられる。
守備では対空能力に不安を残すも、コラロフよりはだいぶまし。あまり他のフランス人たちとはつるまない。




26 Martin Demichelis マルティン・デミチェリス 1980.12.20 184cm78kg アルゼンチン
2013年のシーズン開幕後、CBに怪我が相次いだため、ペレグリーニが古巣のマラガから引っ張ってきたベテラン。当初はスピード不足を露呈したが、慣れるとDFラインの統率役として地位を確立。マンガラと入れ替わりで使われてはいるものの、CBとしては現状最も頼れる存在となった。
細かいラインコントロールが上手く、半端なFWは容赦なくオフサイドに掛けていく。
また組み立てにも長けており、コンパニやボヤタはデミチェリスの加入後目に見えて組み立てが上達。
嫁は元プレイボーイのモデルでバカバカしいほどエロい。




38 Dedryk Boyata デドリク・ボヤタ 1990.11.28 188cm84kg ベルギー
ティーンエイジの頃からシティにいるため、ホームグロウン扱いとなる第4CB。デビュー時は期待される存在だったが、その後の余りの酷さにシティファンの間ではネタ扱いされている。今シーズンはホームグロウンの数合わせで残留したものの、唯一出場したリーグ戦では無難なプレーを見せてファンを驚かせた。
ボヤタの覚醒を信じて止まないシティファンをボヤタの民ボヤタリと呼ぶが、少数派であり国内では迫害を受けている。




69 Jose Angel Tasende “Angelino” アンジェリーノ 1997.1.4 スペイン
スペインU18辺りの代表に選ばれている左サイドバックデポルティボから引き抜いた。
まだアカデミー所属だが、今シーズンは1試合ベンチ入り。スピードと精度の高い左足が売りとのこと。見た目は落ちぶれたアメリカのティーンアイドルに似ている。









(続く)

今更選手名鑑 MF・FW編

MF


6 Fernando フェルナンド 1987.7.25 183cm74kg ブラジル
ポルトから£12mで引き抜いた守備型のボランチ
守備を安定させる役として期待は高かったが、開幕早々の怪我、チームの守備戦術の未整備も重なり、ここまではやや期待外れとの評が大勢を占めている。
猟犬タイプだがフェルナンジーニョよりはまだ腰が重いので、うかつな抜かれ方は少ない方。カバーリングでときどき大ピンチを防ぐ一方、ボールタッチは拙く大ピンチを招くことも。
フェルナンジーニョとの見分け方は、陰気そうなのがフェルナンド。




7 James Milner ジェームズ・ミルナー 1986.1.4 176cm70kg イングランド
とくにネタもないキャラクター、なんでもできるが特筆すべき武器が無いプレーから、”BoringMilner”というパロディアカウントがTwitterに出来てしまったが、そのおかげでようやくキャラが付いた感もあるサイドハーフ。本人はセンターでレギュラーを保証してほしいらしく、契約延長交渉が長引きに長引いている。
シルバやナスリのようなボールタッチはできないが、フリーランで味方にスペースを作るのは得意。守備もきっちり戻るため、相手が強いときは重宝する。
退屈キャラが嫌だったのか、最近DJパフォーマンスを覚えた。



8 Samir Nasri サミル・ナスリ 1987.6.26 178cm75kg フランス
歩く不穏当。常に一言多い上に、輪をかけてパッパラパーな彼女が要らないことばかり喋るため、インタビューのたびに敵が増えていく。
デシャン、アンリ、ガラスとフランス代表の大物にも喧嘩を売りまくっているため、恐らく今後代表に呼ばれることは無い。
シティでは主に両サイドハーフを担当。シルバの意図を一番最初に理解できるため、二人で崩しを始めることが多い。
こねくり回すのが好きなため、イングランドのファンには批判されることも。
ピッチ外ではヤヤとつるんでおり、最高にタチが悪いコンビを結成している。



15  Jesús Navas ヘスス・ナバス 1985.11.21 170cm60kg スペイン
セビージャで一時代を築いた右サイドハーフ。スピードを活かしてひたすら縦に抉ってクロスの一辺倒だが、それだけでスペイン代表に入っただけあり、物理的に無理そうな角度からでもきっちりクロスを上げてくる。
シティでは主にCKを獲得する機械。セビージャファンには見せたくない光景である。
視野角が15°くらいしかないため、縦を切られるとものすごいスピードで後方にドリブルし始める。同様の理由から、ヤヤとナスリからはあまり信用されていない。



18 Frank Lanpard フランク・ランパード 1978.6.20 184cm88kg イングランド
チェルシープレミアリーグ優勝3回、CL制覇1回を達成した大物。
チェルシーから放出されたところを「シティがアメリカに作ったクラブに移籍するけど、シーズン開幕まで半年シティに借りるね?」という体で加入した。
実態はそもそもシティとの契約だったことが明らかになり、2015年からはアメリカに来るものだと思っていた先方のファンは激おこだとか。そりゃそうだ。
ペレグリーニの信頼を得て、守備固めと攻撃強化の両方でよく途中出場している。
さすがに往年の力は無いが、十分すぎるほど戦力。



21 David Silva ダビド・シルバ1986.1.8 170cm67kg スペイン
常に安定してチャンスを作ってくれる、シティファン精神安定剤。彼を見ているだけでも試合を見た価値はあったと思わせる、ゼニ儲けができる選手である。
相手の隙間に入り込んでボールを受けるのが上手い。
意外とこすいタックルもするが、顔とイメージの良さからか、あまり非難されることは無い。



25 Fernandinho フェルナンジーニョ 1985.5.4 176cm67kg ブラジル
守備と攻撃がどちらもこなせ、守備範囲が広いといういわゆる8番型のボランチ。ブラジルW杯ではドイツに虐殺された上、ボールロストで5点目の原因になってしまい、今シーズンはしばらく心の傷を癒すのに時間がかかっていた。
守備範囲を活かしてヤヤをカバーしつつ、相手ゴール前での仕事もできる。
守備で迂闊に飛び込みすぎるのが難点。




42 Yaya Touré ヤヤ・トゥレ 1983.5.13 191cm90kg コートジボワール
圧倒的な性能と圧倒的な扱いづらさが特徴のボランチ
バルセロナから加入以来、攻撃性能は理不尽の域まで向上した一方、守備のやる気は恐ろしい勢いで低下しつつある。
ボールキープ、長短のパスを使い分けた組み立て、問答無用の決定力を持ち、不在時のチームは組み立てに苦労するが、いたらいたで使い方は難しい。
毎年春から夏にかけて怪しい代理人があることないことを吹かしまくることで知られており、昨年夏には「誕生日にケーキがもらえなかった」に端を発する退団騒動が巻き起こった。
なお先週、「トゥレちゃん生涯シティやで!」宣言を発表。山崎邦正をリスペクトしていくスタイル。






FW



10 Edin Džeko エディン・ジェコ 1986.3.17 193cm80kg ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
悪い日は片っ端からボールロストしていく上、切り替えが遅いのでイライラするが、好調時はポストから飛び出しまで多彩にこなせる万能型に変身。
エリア内では強く、脈絡なく点を取るので押し込んでいる試合では欲しい存在。
ボケっとしていて空気が読めず、カードをもらってまでシャツを脱いで見せたメッセージが下のようなものだったりする。



14 Wilfried Bony ウィルフリード・ボニ 1988.12.10 182cm88kg コートジボワール
W杯で日本から点を決めた身体能力の鬼。マークを外すのも上手く、スウォンジーでは得点を量産していた。
2015年1月の移籍マーケットで加入。先日デビューを飾るも、終始目が虚ろだった。



16 Sergio Agüero セルヒオ・アグエロ 1988.6.2 173cm70kg アルゼンチン
プレミアリーグの歴史上、90分当たりの得点率が最も高いというチームのエース。
瞬発力を活かした裏抜けか、ドリブルで持ち込んでのシュートを好む。
力任せに撃つ傾向が多いのが玉に傷。小さいので空中戦にはそもそもやる気が無い。
必ず怪我で長期離脱するので今シーズンこそはと意気込んでいたようだが、案の定年明けに膝を壊した。
メッシとは親友。ちょくちょくシティに誘っているようだが、逆にバルセロナに引き抜かれそうなので止めてほしい。



35 Stevan Jovetić ステヴァン・ヨヴェティッチ 1989.11.2 185cm79kg モンテネグロ
2013年の夏にフィオレンティーナから加入。チームでは唯一、MFとしても使えるFW。
短いパスとフリーランの組み合わせが好きな面子が多い中で、ドリブルで突っかけたり、浮き玉のスルーパスを多用してみたりと変わったリズムを持っている。
いつ見ても怪我をしており、今シーズンは開幕から好調を保っていたもののやっぱり途中で離脱した。中盤の穴埋めに走り回っており、個人的には好印象だったのだが。
そのせいもあってか、ボニ加入後はCLの登録メンバーを外されてしまい、表だってペレグリーニを批判。
交換要員で売り払われるとの予想が大勢である。