Jリーグをろくすっぽ見ていない男がやるロシアW杯展望 #6 攻撃的MF編

シドニーアテネ世代頃までは層が厚かった、所謂司令塔型・パサー型(中村俊輔、小笠原、小野、大野等)が極端に少なくなり、セカンドトップを兼ねる高機動型が大増殖しているポジション。世界的な潮流でもありますけど。あと、日本人の体格的に難しいところもあるが、ハンマータイプもいない。
ザックの嗜好や本田の能力も相まって、ザック政権下ではほぼ本田圭祐1人のポジションになっていたが、ブラジルW杯後はどうなるやら。ボランチへのコンバート等、潰しのきくポジションなのでなるべく層的にも幅的にも厚い必要があるが・・・


・本田圭祐(ミラン
イタリアでチームもろとも殺されそうな勢いでファンからバッシングされているゴリラ。本来いろんなポジションでプレーできる選手だが、本人の前のめりな指向とザックの固定も相まって、代表では融通が効き難いトップ下としてしかイメージがない。次の監督の手腕次第でどんなプレーでもだいたいこなせる人なのだとは思うが、現状だとザックのイメージが強すぎて、本田トップ下=香川と曲芸する固定砲台ね、はいはいみたいな、正直ちょっと食傷気味なので、1人目からあれだがやっぱりボランチに移ってもらえませんかね。



香川真司マンチェスター・ユナイテッド
同じく苦しむマンUでベンチの肥やしになっている男。完全上位互換のマタがいるので、ちょっと今後の活躍がイメージし難い。むしろシティに取ってもらえればね、良かったんだろうけど。次の大会では30歳になるが、敏捷性を売りにしたスタイルが維持できるかが気になる。あとキャリア的にも実力的にもチームのリーダーになっていくべき存在だと思うのだが、そういう感じが一切無いのも少し気になる。なんか思いつめると色々悪い方向に行きそうなタイプである。



高萩洋次郎(広島)
昔はマルチなんだけど決め手に欠ける、というタイプだったが、広島で主軸として活躍するうちに、変態的なパスが売りのピーキーなテクニシャンに。東アジア選手権では狙いどころが裏を欠きすぎて全然周りと合って無かった。とはいえ守備にもそれなりに走れるし、シャドーストライカーとしてもプレー可能。使いやすいモルフェオみたいな感じである。
昔はボランチリベロとしてもプレーしていたそうなので、いっそピルロ的にレジスタとして使ってみるのもありかもしれない。次の大会では32だが、個人的にはまだ代表で掘り下げてみる価値はあると思っている。



東慶悟FC東京
4番手がこいつか、という違和感はあるが、ザックジャパンの招集回数は結構多いさかなクン。味方にスペースを供給するのが上手く、キックやボールコントロールも標準以上。サポート役・チームの潤滑剤としては機能する。一度本田や香川の真ん中に置いて気を使わせたらすごく機能するかもしれない笑
が、このタイプだとどうしても「ゴール前に飛び出して点が取れます」とか、「フィジカル面に明るくてプレスの先導役になれます」くらいの付加価値がほしいのだが、どうもそういうわけではないのが惜しいところ。ザックはどう使うつもりだったのだろうか。



柏木陽介(浦和)
走れるファンタジスタとしてお馴染みだが、だんだんファンタジスタ風味が薄れてきているのは気のせいだろうか。攻め上がりまくる放蕩息子(槙野と森脇)を養うのに疲れて身体を壊したお母さん(啓太)に代わって家事をこなすしっかり者の長女、みたいなポジションでだんだん所帯じみてきている気がする。なまじ気が利くばっかりに、弟たちの世話で手いっぱい、みたいな。たまには恋愛もしてみたかろうに。何の話だ。実は去年のアシスト王だったりするので、力は確かなんだが、今一つ中心として輝く姿が浮かばない。



長谷川アーリアジャスールC大阪
中東系の長身トップ下、と聞けばコネコネ系のうっとうしいテクニシャンを想像してしまうのだが、そんなことはなく、良く言えば多芸、悪く言えば器用貧乏。それなりにキープでき、前線への飛び出しやFWとの絡みも上手い。守備も上手くはないが、意識は高い。ただしゲームメーカーというわけではない。チームの中心におけるタイプではないので、本田(ボランチ)と長友の間で左サイドハーフにおいてバランス取らせる、みたいな使い方だろうか。使うとしたら。



遠藤康(鹿島)
鹿島の攻撃的MFらしい無表情な左利き。いや、別に小笠原さんをDisってるわけでは。ドリブルも上手いしクロスも正確だし、何よりキープ力とシュートの精度が素晴らしい。次の大会ではもう30歳ということで年齢的には少し厳しいが、使ってみる価値はあると思っている。



野津田岳人(広島)
絶賛売り出し中の若手ゴリラ。若い割に身体が強く、預けどころになれる上、キックも強く正確。シャドーとしてプレーできる走力と敏捷性もある。とはいえサイドでプレーするほどスピードも無いので、やはり中央で大成してほしいところ。今年広島でレギュラーが取れるようなら、早めの代表招集もありそう。



土居聖真(鹿島)
鹿島の若手。どっちかと言うとセカンドトップなんだろうか、FWとの絡みでスペースに飛び出していくのが上手い印象。鹿島の選手というのはクラブでの活躍の割に今一つ代表では不遇をかこってきた歴史があるわけですが、そうならないように頑張って頂きたく。まずは人間の感情を持つとこから始めようね。あ、いえ、別に小笠原さんをDisってるわけでは。



高木善朗(清水)
スーパーカー息子2号。自分で局面打開できるし、パスも上手い。でもオランダで何を学んできたかは知らん。というか、日本人のMFがオランダでやる仕事ってあんのか。他の国行った方が有意義な気がするが。



中島翔哉(富山)
運転資金と引き換えにヴェルディから売られたU21代表のエース。まあ本人も全然未練なさそうだったが。切り返しと敏捷性でグイグイ抜きにかかり、ゴールが見えたらバシバシシュートを打つ、意識高い系アタッカー。ヤンチャとも言うが。まあ今すぐ動向と言う話にはならないと思うので、まずはJ2でしっかり結果を出してもらいたいところ。