W杯招致失敗は“失敗”か

2018年と2022年のW杯開催地が、それぞれロシアとカタールに決まった。日本は後者に立候補していたのだが、カタールに敗れてしまった。この記事http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2010120700611にもあるように、サッカー界からは“招致意欲が足りなかった”という意見が出ている。


だが、W杯を招致することは本当にいいことだろうか?


オリンピックでも同じことが言えるが、W杯は思ったほど儲からない。むしろ経済的な収支はマイナスになる可能性が高い。W杯は大会がなければその国の他の観光地に来ていたはずの観光客を奪うし、W杯に合わせて作ったインフラが無駄になる可能性も高いからだ。だから、南アフリカのような発展途上国が“W杯特需”を見込んで大会を招致すると、期待はずれに終わる。



それでもW杯を招致することの意義があるかと言えば、それは“幸福感”にある。EU諸国では、W杯や欧州選手権が行われている月の自殺率が有意に低下するという研究がある。開催国でなくてもそうなので、当然W杯の開催国にもたらされる幸福感はそれ以上になるだろう。



というようなことは、全部この本に書いてあるのでした。

「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理

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