本田圭祐の守護霊が語る本とやらを読んでみたの巻

ギリシャ戦の引き分けでなんかそういうムードじゃなくなってしまいましたけども、買っちゃいました。これ。

もうすでにちょっと後悔してる。





ご存知、幸福の科学総裁である大川隆法さんの十八番である「霊言シリーズ」の本田圭祐版。今までキリストとかブッダとか小保方さんとかの「守護霊」なるものを呼んでは好き勝手語ってきた大川総裁が、W杯を前に、やっぱり流行りものに乗っかってきました。ちなみに基礎知識として説明すると、大川総裁が呼んでいる「守護霊」というのは当人(キリストとかブッダとかね)とは別物だそうなので、「揉めて離婚した嫁の守護霊を呼んで嫁をDisらせる」とか「大川総裁本人の守護霊を大川総裁に降霊させる」とかアクロバティックなことができます。


今回は日本代表のエースたる本田ということで、「やっぱW杯優勝とか無理ですわ」とか「ザックの言うことなんか聞いてられまへんわ」とか言ってくれるのを期待してるんですけど、最大の興味はやっぱりあれです。「本田の守護霊とリトル本田は別人なのか」。ミラン移籍に際し、「他のチームからオファーもあるけど、やっぱミランやろ」と勧めたというリトル本田さんは、本田の守護霊と同一人物なのか。同一人物でないとしたら、リトル本田と守護霊の上下関係はどうなっているのか。私、気になります。






ということで読み始めようと思ったんですけど、総裁、前書きでもうジャブ一発食らわしてきました。

『本霊言は、2014年6月10日、幸福の科学総合本部にて、質問者との対話形式で公開収録された(中略)。本書も本田圭祐選手の誕生日にして、ワールドカップ開幕の6月13日に緊急発刊できるように、私どもも徹夜態勢で制作している』

突貫工事だな!流行りに乗るならもうちょっと前から準備しておいてくださいよ。おかげでもう半分終戦みたいな時期になってようやく手元に届いたじゃないですか。編集部員(いるのか知らんが)の苦労が偲ばれます。




しかも目次にて早々に疑問の答えが半分出てしまいました。

『第6章 ACミラン入団会見時に語った“リトル本田”の正体』

あーやっぱ勉強してたんだ。それくらいは知ってたか。いや、正直リトル本田がどうこうとか知らないと思ってたので、著述内容から推測しようと思ってたんですけど、総裁知ってたわ。




あともう一個、目次で気になるのが第9章で、

『「俺はサッカー界のソクラテス」』

いるんだよね、それ。しかも結構有名なやつ。ジーコと一緒にやってたやつ。ややこしくなるからピュタゴラスとかにしといてほしかった。









まあ気を取り直して読み始めよう。そう思った矢先、もうひとつ衝撃の文言が。

『人間の魂は原則として6人のグループからなっており、あの世に残っている「魂の兄弟」の1人が守護霊を務めている』

あと5人おるんかい!ということはリトル本田と守護霊が別人だった場合、本田さんの中にはリトル本田、本田の守護霊、本田の魂の兄弟1号〜5号がいるという大所帯。本田さん本人を含めたら7人が本田さんの中にいる計算になります。いくらなんでも居すぎだろ。取り込んだ人数が多すぎて、制御しきれなくなって死ぬパターンですよそれ。







とにかく気を取り直して。第1章は、守護霊が下りてくる前、ワールドカップに向けた総裁なりの展望から始まります。

『どうやら新戦法で戦うようではありますが、私が見るかぎり、かなり不安な雰囲気がないわけではありません。キーパーを残して、残り10人が全員シュートするぐらいの感じの攻めをするそうですが、「ロングで抜かれたらどうなるんだろう」という不安は、やはりあるのです。ブラジルなどであれば、頭の上からシュートをかけられそうな感じがしないわけでもないでしょう』

かなり斬新な表現ではありますが、やっぱり総裁も日本代表の「自分たちのサッカー」が不安だったみたいです。この断言しない感じがいいですね。





霊が下りてきての一発目の言葉もわりとカマしています。

(インタビュアー《以下:イ》)「こんにちは」
(守護霊《以下、霊》)うーん。ボールがないとなあ。表現のしようがないもん。(前にある机を指して)これ、足が見えないじゃん。ねえ。これ、これ、これ」
(イ)「笑」
(霊)「下をスケスケにしてもらわないと、これでキックしてても、見せて・・・・。」
(イ)「昨日、NHKの特集番組に出演されていましたけども、今日は、守護霊様のインタビューということで、お願いします」
(霊)「だから、サッカー選手ということで、下が見えるようにテーブルを置かないと、ちょっとなあ。問題があるなあ」
(イ)「まさに、今、ワールドカップ直前ですが」
(霊)「うん。そう、やる気満々!」

やっぱお前らふざけてやってるだろ。総裁じゃないや、守護霊の執拗な机どけろ要求に一切耳を貸さないインタビュアー(幹部)。小学生のように無邪気に応える守護霊。




『(霊)(目標はと聞かれて)優勝です。優勝以外ありません。勝負には、優勝しかないですよ。当たり前です。(中略)サッカーっていうのはねえ、あんたがたは、肉体労働だと思ってるのかもしれないけど、サッカーっていうのはね、「精神的な仕事」なんだよ。極めて精神的な、メンタルの部分っていうか、「知力戦」なんですよ。基本的に知力戦なんです。つまり、口から出る言葉も(中略)“武器”で、“シュート”なんですよ。言葉も“シュート”なんです。だから、相手はね、「優勝を目指してるチームとぶつからないかん」っていう威圧感を感じるわけですよ。「日本チームは、優勝を狙ってるんだ」と。』

それは要約するとブラフだということではないんでしょうか。





(霊)その意味で、精神性っていうか・・・。あなた方は、今年、『忍耐の法(幸福の科学出版刊)』とか出してるらしいけど、(中略)やっぱり、不遇の時期にどこまで頑張れるかっていうところだし、ほんと『常勝思考』(幸福の科学出版刊)に書いてあるように、「自分にとってのスランプとか・・

幸福の科学の宣伝をぐいぐい入れてくる守護霊。




(イ)「本当のエースなのか」ということでたたかれ続けている状況は、いまだに変わらないと思います。(中略)守護霊さんとしては、どういう気持なのでしょうか」
(霊)「いやあ、やっぱり、選手がねえ、日本人と違うので、すぐに打ち解けあうというところまでいかないし、イタリア人だけでもなくて、ほかの外国籍の人もいるしねえ。」

「俺は孤立している。あえてね」というのはやっぱり強がりだったのか。それとも守護霊は本田さん本人よりメンタルが弱いのか。



まあこんな感じで、序盤は目標を言葉にすることの大切さとか、それを信じて努力し続けることの大切さとか、そういう話がうっすーい密度で続きます。第4章ではインタビュアーが完全にNumberの日本代表特集読んだだろというエピソードについて質問があり、守護霊が日本代表の戦術について長々と語っておりますが、長すぎるので省略します。要約すると「ザックを信じて戦う。批判は俺が受ける」ということで、やっぱザックに反発してるわけではないんですね。安心しました。もう遅いけど。








そして問題の第5章「リトル本田」編。

(イ)「入団会見のときに『“リトル本田“という存在に、ACミラン入りがいいと後押しされた』という趣旨のことをおっしゃられていたと思うのです。(中略)これは、守護霊様が”リトル本田“というご存在で、よく対話をされているのでしょうか』
(霊)「(守護霊の)『私』でしょうね」

同一人物だったー!!あんたが勧めたんかい!!



(イ)「“リトル本田”に聞いたら、「ACミランだ」と断定したという話なのですが」
(霊)「そうなの。そう、そう、そう、そう。リトルじゃないよね」
(イ)「リトルではないかもしれない」(会場笑)
(霊)「リトルじゃない」
(イ)「大きいかもしれないですね」
(霊)「“グレート本田“だね」
(イ)「グレートです(笑)」

リトル本田はリトルじゃなかった件。今度からグレートと呼びましょう。
あとサッカーの試合では守護霊同士の霊感で勝負が行われており、「守護霊の霊感はどっちが強いか」=「選手間の戦い」だそうです。バロテッリの守護霊がどんなのか気になるんですけど。






さらに目標を言葉にすることの大切さを説く守護霊a.k.a.グレート本田

(霊)「周りを“洗脳”し、“伝道”してるわけ」
(イ)「ああ、なるほど(苦笑)」
(霊)「私は、“あれ”だと思いますよ。今やってるのはサッカーだけども、別に、「宗教のほうで使ってくれ」って言われたら、お宅様の「伝道局長をやれ」って言われたら、いつでもできる。」

勝手に次の移籍先を決めてしまうグレート本田。ガッリアーニと大川総裁が会談するところは見てみたい気がする。










リトル本田の正体がわかったところで、本田さんの過去世(「かこぜ」と読むらしい)に話題が移ります。

(イ)「俺が苦しんだあと、神様は必ずご褒美をくれた」というようなこともおっしゃっていて、「本田選手が信じているもの」というのは・・・」
(霊)「俺自身が神様なんだ・・・」
(イ)「あ、そういうことですか(笑)」
(霊)「俺自身が神様」
(イ)「“グレート本田”ですね」
(霊)「俺自身が神様だからさあ」
(イ)「なるほど。その神様を信じていると?」
(霊)「うん。俺自身が神様だから」

わかったっつーの。突然の神様宣言。神ならザックの指示を多少無視しているっぽいのも納得できます。神様ならあの多少窮屈っぽいショートパス連発のつなぎに拘るのも納得。




(霊)「蒙古襲来のときだって、九州で迎え撃ったことはあります!」
(イ)「あ、そうですか(中略)先ほど、『特攻隊』という言葉もあったのですが、そういう過去世もあったのでしょうか」
(霊)「特攻隊ではなかったんだけど、うん、ずばりの特攻隊じゃないなあ。うーん・・・・、特攻隊じゃなくて、マレー戦線で戦った記憶があるなあ。だから、パラシュートかなあ」

過去にはヤタガラスとして神武天皇を先導し、元寇の際には九州で国防に勤しみ、太平洋戦争ではパラシュート部隊としてマレーで戦ったという前世をお持ちの本田さん。壮絶。あと、古代ローマグラディエーターもしてたらしいです。





(イ)「海外の場合、サッカーの名選手は、どういう魂の系譜なのでしょうか」
(霊)「いやあ、それはスペインとか、あの動き見てたら、あれは闘牛士だよな」
(イ)「ブラジルではペレのような名選手がいますが」
(霊)「まあ、あれは、昔、野獣と戦っていたんだろうねえ」

クッソ適当。












そして締め。守護霊グレート本田から幸福の科学へのメッセージ。

(霊)「うん。僕は頑張る。僕は僕なりに頑張る。君たちの仕事が残っている。神風を吹かすことだ。」
(イ)「あ、そうですね(笑)」
(霊)「(中略)うんうん。あなたの作っている雑誌の表紙をめくったら、「日本優勝の予想!」とかいうて、バーっと一面に出る。「責任は編集長にあり」ということでね?(中略)だから、俺たちが優勝するようだったら、あながたたも世界的に有名な教団になるだろうな、きっとな」
(イ)「え?そこは直接、連動していないと思うんですけれども(笑)」
(霊)「これは連動するんじゃないかなあ。やっぱり「神の国・日本」をつくろうとしているところは一緒だからね」
(イ)「はい。それはそうですね。“神様の応援”を受けながら、私たちも頑張ります。」

どうやらならなそうなので、4年後また頑張ってください。








すげー疲れましたけど、まとめとしては以下の通りです。
1. リトル本田と本田の守護霊は同一人物だった。
2. リトルじゃなくてグレート本田だった。
3. グレート本田は神様だった。
4. 本田さんの次の移籍先は幸福の科学になるらしい。


以上です。興味があったら、ぜひ読んでみてください。ブックオフとかに出てると思うんで。僕が売ったやつが。